【映画評】ジオストーム

2018年01月20日 06:00
Geostorm - O.S.T.

近未来。天候を制御する宇宙ステーションが開発され、地球の大規模自然災害は過去のものとなっていた。ところが運用開始から2年後、宇宙ステーションがウイルス感染して大暴走を始め、各地で同時多発的な異常気象・ジオストームが発生。宇宙ステーションの開発者ジェイクと、何かとジェイクと対立してきた弟マックスは、地球と人類の滅亡の危機を食い止めるため、立ち上がる…。

地球の天候を制御する気象宇宙ステーションがウィルス感染により暴走するパニック・アクション大作「ジオストーム」。映画の中の地球破壊のレベルはどんどん増し、ついに宇宙規模の大ぶち壊し大会へと到達したか…と思わずため息がでるディザスター・ムービーだが、パニックをひたすら詰め込んだ進化形だと割り切れば、なかなか楽しめる作品だ。中東の砂漠は氷結、ムンバイでは巨大竜巻、東京には激しい雹が降り注ぐ。リオの浜辺では常夏のはずの海が氷り、ドバイではすべてを飲み込む大洪水…と、もはや天変地異の品評会のような映像の連打に、しばし唖然。宇宙ステーション暴走の裏側には、政治的な陰謀があったり、わだかまりを抱えた兄弟のドラマが一応盛り込まれてはいるもの、何といってもド派手なVFX映像こそが見所なので、何も考えずひたすらスペクタクルに身を委ねるのが、正しいお作法だ。

天才科学技術者がジェラルド・バトラーというところで思わず吹き出しそうになるが、実はこのマッチョなスコットランド人俳優は、役者になる前は弁護士だったのだから、隠れ知性派なのである。人は見かけによらないという言葉は、ストーリーの中でも再確認することになる。落とした卵が瞬時に目玉焼きになるほどの高温地熱の香港の道路に平気で人が立ってることも、「アルマゲドン」や「カリフォルニア・ダウン」、秀作「ゼロ・グラビティ」まで総動員した既視感満載の映像にも、決してツッコんではいけない。この凶暴なディザスター映画、ひょっとして監督は“破壊大好き”ローランド・エメリッヒなのか?!と思ったら、当たらずとも遠からず。エメリッヒの相棒的存在のディーン・デヴリンだった。長編監督デビュー作でこれだけ大暴れしたら、次はどうするの? …というのは余計な心配か。
【55点】
(原題「GEOSTORM」)
(アメリカ/ディーン・デヴリン監督/ジェラルド・バトラー、ジム・スタージェス、アビー・コーニッシュ、他)
(厄災てんこもり度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2018年1月19日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Facebookページから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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