東京都、医療的ケア児の通学支援(スクールバス)に6億円・18校分を計上!

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

宮崎市長選挙モードが終わり、引き続き都の予算案分析などを進めています。


すでに駒崎弘樹さんが大きく取り上げていますが、私も「医療的ケア児への通学支援」について触れたいと思います。

たんの吸引や呼吸器など、何らかの医療的ケアが必要な障害児「医療的ケア児」。

彼らに対する特別支援学校への通学手段(スクールバス)が今現在は確保されておらず、これまで議会で取り上げてもゼロ回答が続いてきました。

それが昨年末の都議会公明党の代表質問により、大幅に前向きな方向が示されたことは、昨年末のブログでも取り上げたところです。

●東京都、医療的ケア児の支援に一歩前進!通学手段(スクールバス等)の確保を検討へ

「通学手段の確保を検討する」という旨の答弁がありまして、こうした場合はまず予算案に一千万円程度の調査費用が計上されたり、特定の学校をモデルケースとして試行スタートする場合が多いと思います。

ところがなんと今回、いきなり都内にある肢体不自由特別支援学校18校すべてに対して、6億円もの新規予算が計上されました。

小池百合子知事は先の都知事選の最中に医療的ケア児を受け入れる保育園を実際に視察しており、この分野への想い・理解は充分なものを持っています。

こちらも参考に↓
●小池百合子都知事候補に伝えたこと(駒崎弘樹) 

これは知事のリーダーシップによるものが大きいでしょうし、慎重な対応になりがちな行政的手法に対して、政治判断が良い方向に作用した例になるのではないでしょうか。

市場移転や行政改革に対する予算案については異論があれど、こうした良い面については大いに支持していきたいと思います。

一方で駒崎弘樹氏もすでに指摘するように、本政策の実行に当たっては課題も残っています。

個人的にもっとも大きなものは、同乗看護師の確保ではないかと思っています。

関係者などにヒアリングすると、

「ひとくちに医療的ケア児童といっても、各々に個性があり対応も一律ではない」
「いくら看護師資格をもっているからといって対応できるとは限らない」
「児童の個性を知っている保護者と同等の対応ができるか、極めて不安」

などの声が聞かれます。また「通学時間帯のみ」という雇用形態で働ける看護師さんを採用することもハードルの1つと言えるでしょう。

こうした課題にどのように対応していくのか、引き続き都の対応を注視しながら、実現に向けた後押しと提案を議会からもしていきたいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年1月30日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。