憲法9条改正案は実現可能性が重要:石破案、青山案、山尾案は政局の産物

2018年02月02日 09:30

首相官邸サイト:編集部

憲法9条の改憲については、これまで安倍総理周辺が1項2項を維持したまま自衛隊を明記する方針を打ち出してきましたが、石破茂衆議院議員が戦力不保持と交戦権否認を定める2項の削除を、青山繁晴参議院議員らが1項2項を維持したまま自衛権の発動を妨げない旨規定すべきという論陣を張っています。

しかし私には、石破議員も青山議員も政局で仰っているだけで、結局、真面目に憲法9条改正を実現しようとは考えていないんだな、と非常に残念に感じる一週間でした。彼らは要するに、自衛権の範囲を憲法に書こうと主張している山尾志桜里・倉持麟太郎コンビと同じ穴の狢、改憲の足を引っ張りたいだけ。

青山議員が自衛権明記を主張されておられることは承知していましたが、フルスペックの自衛権を限定なしで憲法に規定するのは、理想ではあっても実現可能性はありません。ということでスルーしてたのですが、1月29日の虎ノ門ニュースを拝見してびっくり。自衛権を制限する規定を検討するんだと宣言。

石破議員も同じ。安倍総理が1月30日の衆院予算委で「(2項を削除すれば)フルスペックの集団的自衛権が可能になる」と述べたことに反論し、石破氏は「集団的自衛権を何でもやりますなんて…決めたわけでない」と述べ、2項を削除しても、フルスペックの集団的自衛権を認めるつもりはない、と宣言。

では、彼らは、自衛権の範囲を憲法にどのように書くつもりなのか。結論を急げば、平和安全法制に賛成した石破議員も、自民党の看板を背負った青山議員も、平和安全法制の規定をそのまま憲法に書くことしか提案しようがありません。膨らませたら誰も賛成してくれないし、縮小したら法改正が必要になる。

そして、彼らと同様に、自衛権の範囲を(個別的自衛権に制限するよう)憲法に書くべきだと主張しているのが、山尾・倉持コンビなのです。想定している制限の範囲は違えど、主張は瓜二つ。青山議員に対する私の強い違和感は、平和安全特委で散々やったあの議論を、再び、今度は国民投票でやるんですか?

むしろ、安倍総理が目指している憲法9条改正は、自衛権の行使がどこまで認められるかの範囲に係る具体的な規定を「法律事項」とする今の建てつけを維持しつつ、「自衛隊の合憲性に関する神学論争にだけピリオドを打つ」(高村副総裁)ことなのです。自民党が山尾と一緒に足を引っ張ってどうするねん!

平和安全法制に反対した維新は、「存立危機事態」に代えて「米軍等防護事態」を規定する自衛隊法改正案を提案してきました。こうした私たちの提案は憲法9条改正に国民の支持を得るためにも有用と考えますが、当該提案が実現しないからといって、憲法9条改正は認めない等と寝転ぶつもりはありません。

9条に加える具体的な条文は、例えば、「前項(2項)の規定は、自衛のための必要最小限度の実力組織として自衛隊を設けることを妨げるものではない。」です。政治は実現してなんぼ。青山議員も政治家なら、憲法9条改正の実現可能性に十分配慮した上で、意味ある言論活動に邁進されんことを願います。


編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2018年2月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。

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足立 康史
衆議院議員(日本維新の会、比例近畿)

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