誰でもできる!目標達成に必要なシンプルな考え方とは

尾藤 克之
写真は書籍画像

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「目標を立てるものの全然実践できない」「PDCAを回せない」「パフォーマンスが低い」「長続きしない」など、誰もがぶつかる「仕事の壁」が存在する。目標達成の方法は数あれど「はて?どの方法がいいか」と考えてしまうことも少なくない。

今回は、『いつも目標達成できない人のための自分を動かす技術』(すばる舎)を紹介したい。著者は、福山敦士さん。サイバーエージェントの役員等を経て、27歳で独立する。現在は、大学院で講師を務め、おもに人材育成などを手掛けている。

高すぎる目標は立ててはいけない

目標を立てる際、高すぎる目標設定はリスクをともなう。リアリティがない場合には注意が必要だ。登山をしたことがない人に「エベレスト登頂」の目標を掲げてもイメージすることは難しい。高すぎる目標は脇に置き、達成可能な目標に修正したほうがいい場合がある。

「目標が高すぎると『どうしよう』と行動する前からブレーキがかかってしまいます。それならば、目標を下げて『できる!』と思ったほうが賢明です。小さな目標をクリアしていくことで動ける自分に変わります。ほどなくして、どんな目標でも余裕でクリアできるようになるのです。これは多くの目標設定にあてはまります。」(福山さん)

「私がアドバイスすることは同じです。それは、まず目標を下げること。これにより、スムーズに動けるようになり、100%達成する習慣を身につけることができます。なかなか目標達成できない動けないのだとしたら、目標の立て方を知らないだけです。ぜひ自分を動かすコツを知り、達成するクセをつけてください。」(同)

では、達成するクセとはなんだろうか。福山さんは、達成感を繰り返し味わうことだと解説している。達成する回数が自信につながることはあり得る。

「なかなか動き出せないのは、高い目標を掲げてしまうからです。会社から与えられるノルマは、高い目標がほとんどです。こうした目標を掲げている限り『何をしていいのかわからない』『だから動けない』という状態は変わりません。」(福山さん)

「目標を下げて修正していきましょう。どんな目標でもかまいません。いえ、簡単にできることのほうが良いのです。『アポを10件取る』のではなく『アポを10件探す』。『資料を作成する』ではなく『資料の概要をメモする』といった内容に置き換えます。なぜなら、『達成する回数を増やすこと』が何よりも大事だからです。」(同)

「べき論」という考え方がある。職務を果たすこと、義務を達成しなければならないことなどを強く主張する論調になる。「こうあるべき」「こうすべき」といった表現になる。しかし、一方的な思い込みが強くなり、かえって行動が阻害されることがある。このような場合、目標を下げて修正することで動きやすくなる。覚えておきたい。

達成感を味わうことの重要性

どんなに小さな目標であっても、やりきれば達成感を得られる。こうした達成感を繰り返し味わっていくことが大切である。

「小さな目標を設定することは大切です。私の場合、多いときは1日に30回以上達成したことがあります。まるで貯金するかのように達成感を経験していくと、『達成するのが当たり前』という感覚が身につくのです。いつも目標を達成する人は、無意識にこの経験を積んで、まずは目標を下げ、達成するという経験を積んでいます。」(福山さん)

高い目標を設定して動けない人は、まずは目標を下げ、達成という成果を手にすることが望ましい。それが現状を打開する方法であり自信につながるからである。さて、筆者も1月に新しい本を上梓したので、関心のある方は手にとっていただきたい。目標設定のお供にいかがだろうか。『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)

尾藤克之
コラムニスト