メールは「Noted」「Agreed」のひと言で返すべき

2018年02月24日 06:00
写真左が岡田さん、右が筆者。取材中の様子(2018.02.20)

写真左が岡田さん、右が筆者。取材中の様子(2018.02.20)

「SS物産の鈴木部長のメールか。これは慎重に返さなければいけないな」「XY電器の石井部長から面会依頼か。即レスすると安く見られるから明日返信しよう」。ビジネスでは多くの約束・確認がメールで行われる。メール自体はさっと目を通せるが、目を通す数秒で与える感覚は大きい。そのため、メールに時間をかけてしまうのである。

今回は、『すべての仕事を3分で終わらせる―外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術』(ダイヤモンド社)を紹介したい。著者は岡田兵吾さん。マイクロソフトシンガポールのシニアマネジャーであり、日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランドの4か国のライセンス監査業務の責任者でもある。

岡田さんは、ダイヤモンドオンラインで「STAY GOLD!リーゼントマネジャー岡田兵吾の“シンガポール浪花節日記”」という人気連載をもっている。グローバルシティとして変化を遂げたシンガポールの実体や、リアルな話題を提供する人気コラムになる。今回は、仕事術のなかでもとりわけ「メール術」にフォーカスし話を聞いてみた。

メールに時間を奪われてはいけない

――(一社)日本ビジネスメール協会が発表した「ビジネスメール実態調査2017」によれば、ビジネスメール1日の平均通数、送信は約12通、受信は約39通で役職が高くなるにつれて通数が増えることが明らかになっている。メールを1通作成するのにかかる平均時間は6分。1通作成するのに10分以上かかっている層も25%を超している。

「最近の傾向として、仕事で受け取るメール量が増えているといわれています。CCで送られてくるメールも含めると、1日で受けるメールの量は膨大で、その処理に忙殺されて、自分の仕事ができないときもあります。実は、マイクロソフトやデロイトコンサルティングといったグローバル企業ではメールを多用しません。」(岡田さん)

「チャットや電話、打ち合わせで、スピーディに必要な取り決めをします。メールは必要なツールですが、仕事の目的は成果を上げることです。そして、少しでも早く上げることです すべてのメールをじっくり読み込んでいたら思いがけず時間を浪費してしまいます。重要度の高いメールへの対応が遅れてしまうこともあるでしょう。」(同)

――これを防ぐためにメールの設定分け機能がある。重要度が高いメールは色分けしたり、全部を読まなくても内容が理解できるように設定したり、ニュースレターやメルマガは隙間時間に一気に読み込めれば余計な時間がかからない。

「メールは、『報告』『相談』『お願い』の3つに分類されます。意思決定が必要なのは『相談』『お願い』のメールで、次の2つのパターンに当てはまります。ひとつは、承認を求めるものです。相手に許可をもらうもので、『○○してもよろしいでしょうか』というお伺いのメールで『YES』『NO』の返信を求めるものになります。」(岡田さん)

「もうひとつが、依頼·要請するものです。『電話をください』『会える時間をつくってください』『○○について教えてください』などといったもので、助けてほしい目的がわかれば、これに応じた回答を簡潔に行えばよいものです。」(同)

メールにおもてなし精神は不要

――岡田さんは、日本の商習慣、おもてなし精神をメールに反映させることは好ましくないと解説する。あなたの周りにもいないだろうか。ビジネスメールに時候の挨拶を入れるなど、相手に対して丁寧すぎる文章を書いている人が。

「かくいう私も、かつては外国人に対しても丁寧なメールを書いていました。そんな私に、元戦略コンサルタントでハーバード大卒の元上司は、たまりかねてこんなアドバイスをしてくれました。『Noted(理解した)』『Agreed(了解しました)』とひと言で返せばいいと。偉い人からのメールでも、よけいな返信は不要ということでした。」(岡田さん)

「みんな忙しいので、普段話す機会があるときに挨拶して親しくしておけばよく、仕事のやり取りは必要最低限のコミュニケーションでかまわないと言われました。失礼にあたるのではないかと心配になりましたが、彼は、ビジネスマナーに誰よりも精通した、とても礼儀正しい謙虚な人だったのです。」(同)

――現在、岡田さんは、社内やパートナー企業に関しては、ムダな前置き挨拶や言葉は減らして、リアルタイムに即レスしてほしいと事前にお願いするようにしているようだ。すぐに判断できるものは、その場で処理すること。判断を先送りしないで、その場で、瞬時に処理して解決することが求められている。

本書は、アクセンチュア、デロイトコンサルティング、マイクロソフトの3社で20年以上活躍してきた岡田さんのノウハウが凝縮されている。僭越ながら、初出版を実現した、岡田さんにお祝い申し上げたい。また、拙著がメールの書き方の参考になるかも知れないので紹介したい。『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)

尾藤克之
コラムニスト

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