憲法9条改正論議は、自民党内では勝負あり?

2018年02月28日 06:00

首相官邸サイト:編集部

安倍総理周辺の石破包囲網、石破さんの総裁選立候補潰し、が相当にきついようである。

滅多に弱音を吐かない石破さんが日経新聞の記者に本音を漏らしたのかな、と思っているのだが、昨日朝の日経の記事を読んだ直後の私の感想は、これで勝負あり、ということですね、というところだ。

若干含みを持たせたものの言い方だが、石破さんは自論を撤回する気はサラサラないが、9条2項維持案には最終的には賛成する意向だ、などと報じられている。

あの石破さんでさえ安倍総理が示唆した改憲案に徹底抗戦するつもりがない、ということが広く知れ渡ったら、自民党の議論はどんどん収束に向かっていく。

博士と呼ばれるほどに卓越した議論を展開出来る石破さんが既に議論の終着点を示唆しているのだから、自民党の中で議論を蒸し返しそうな人はまずいない。

石破さんは自分の意見を存分に開陳できる場が与えられれば当面は満足される方のようだから、自民党的には、石破さんに思う存分ご自分の意見を開陳してもらって、丁寧に党内手続きを進めてさえ行けば、党が割れるようなことにはならない。

9月の自民党の総裁選がどうなるかは今のところまったく見当が付かないと言っていいと思うが、どういうことになっても自民党が割れるようなことはない。

自民党の中での憲法改正の議論は、どうやらそろそろ峠を越えそうである。
まあ、別に勝敗を争うようなことではないので、どちらが勝ったとか負けたと言うのは適当ではないのだが、議論そのものとしては、勝負あり、ということだろう。

私が理解している現行日本国憲法制定の目的

国際政治学者の篠田さんが「日本国憲法が「希求」している目的は、「正義と秩序を基調とする国際平和」である。その目的を達成するために、第二次世界大戦時の行動を反省し、国際法規範にそって武力行使の一般的禁止を国内法規範に取り入れた(9条1項)。そして国際法規範に挑戦した大日本帝国軍を解体して戦争を目的にした「戦力」の不保持を誓い、「交戦権」なる時代錯誤的な古い国際法概念を振り回すこともしないとも誓った(9条2項)。」と書かれたことに対して、うーん、先生のご主張はどこか変ですよ、とちょっとジャブを入れておいたのだが、先の論稿では私自身の見解を披露しなかったので、如何にも私が篠田さんに酔っ払いのように絡んでいる、と受け止められた方がおられたようだ。

私自身は別に学者の方々に絡むつもりも、論争を仕掛けるつもりもなく、まして独自の学説をお示しするつもりもない。

単に、多くの方々が憲法について共通の理解を持つようになることを願って、議論を深めるための材料を提供しようとしているだけで、読者の皆さんがそれぞれにご自分の考えを持っていただければそれで十分である。

とにかく、自分の頭で考えましょう、と言っているだけで、どなたが正しい、どなたが間違っているなどと極め付けているわけではない。

私のはあくまで私自身の感想程度のことであって、皆さんの考えるヒントの一つにでもなってくれればいい、くらいの感覚でいる。

お前の考えを述べろ、と言われれば、それなりに私の考えを述べさせていただくが、私が何を言っても世間に与える影響力はないことは承知しているので、無視していただいて結構である。

ちなみに、私は、現行日本国憲法の制定は、基本的には日本が受諾したポツダム宣言の履行としてなされたものであり、あえてその目的を掲げるとしたら、第一に「日本の民主化」のための国民主権の確立とそれに伴う新しい国家統治システムの構築、第二に「軍国主義廃止ないし放棄」を明示するための戦争放棄と戦力不保持の宣言、第三として「基本的人権尊重を理念とする各種法制の導入」等ではなかったのか、と考えている。

勿論、日本国憲法の前文に憲法制定の理念が明示されているのだから、この前文の記載が憲法制定の目的だ、まさにこの前文は国連憲章の理念を具体的に示しているものだ、という議論が成り立つ余地はあるのだが、憲法制定当時の日本にとっては、ポツダム宣言やママッカーサー・ノートに示されたマッカーサー三原則、あるいはGHQが策定した英文のマッカーサー憲法草案の方が重要だったろう、というのが私の理解である。

ご参考までに。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年2月27日の憲法関連の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。

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