ホテルと銭湯のマッチングは ⁉︎

荘司 雅彦

訪日外国人観光客が増加し、ホテル業界は大いに潤っているようだ。

都市部だと、出張するビジネスマンたちが宿泊先を確保できずに苦労しているそうだ。
短期間の宿泊であればともかく、長時間のホテル滞在で私が最もストレスを感じるのは、何と言っても”お風呂”だ。

ホテルの洋式バスは浅くて肩までつかることができない。体を洗うのもバスタブの中ではうまくいかない。
こういう時、しみじみ自宅に帰りたくなるのは私だけだろうか?

たまに大浴場を設置したホテルに当たると、なんだかとても得をした気分になる。
スイミングプールよりも大浴場の方が、私にとってははるかにありがたい。

「それなら旅館に宿泊すればいいではないか?」という意見もあるかもしれないが、寝食その他の点では圧倒的にホテルの方が好きなので、我ながらワガママだと反省している。

既存のホテルに大浴場を設置するのは、構造を考えるとかなり困難だろう。
費用もかかるし、それだけの投資に見合った資金回収も困難だろう。

そこで、ホテル近辺の銭湯と提携して、宿泊客へのサービスの一環にしてみてはいかがだろう?
徒歩で行ける範囲であれば地図と入場券を配布し、やや遠方であればシャトルバスなどを運行する。

「ニッポン社会」入門の著者、コリン・ジョイス氏が著書で書いているように、銭湯は日本が誇る清潔文化の最先端だ。
昨今は経営難で多くの銭湯が閉鎖されているそうだ。

自宅やアパートに風呂があるのが当たり前になったので、時代の流れには逆らえない。
しかし、私のように大浴場を求めるホテルの宿泊客と、経営難にあえぐ銭湯はニーズがマッチすると考える。

外国人旅行客にも、日本の銭湯文化を紹介することができ一石二鳥だ。
高齢化が進んでいるので、長期の国内旅行をする高齢者たちにとってとても有意義なサービスになるはずだ。

日本が誇るせっかくの銭湯がこのまま廃れていってしまうのはいかにも惜しい。
ホテル関係者の方々にはぜひご一考いただきたい。


編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年3月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。