北朝鮮の軟化は安倍・トランプ強硬路線の成果だ

2018年03月07日 22:00

韓国大統領府Facebookより:編集部

南北首脳会談そのものに前向きの意味があるかないかは、結果次第である。これまでの金大中や盧武鉉の南北交流は、それが結果的には北朝鮮の本格核武装という今日の結果をもたらしたのだからマイナスだったというしかない。

ともかく、問題は北の核戦力の放棄へ向かって結果を出すことであって、そうでない限りは開発の時間を与えるだけマイナスでしかない。前向きの反応などというものは無価値である。

しかし、今回の南北首脳会談で、北朝鮮側が

①4月からの韓米軍事演習実施に理解を示し、

②「対話中は核実験・弾道ミサイル発射を再開せず」といい、

③米朝対話で「非核化議論可能」といったことは、

とりあえず、上出来だったとはいえる。

これは、別に文在寅が金与正を歓待したからではなく、安倍・トランプが強硬にそれでなければ対話もしないと頑張りきり、文在寅もそう言わざるを得なかったというだけのことだ。

これからも、南北の対話が実り多いものになり、平和に貢献するとすれば、それは、断固たる姿勢で文在寅に弱腰になりようがないようにするしかない。この対話に失敗したら、また、これまでのように駄々っ子ぶりを発揮したら軍事力の行使は不可避だと金正恩が意識すれば良い結果が出るだろう。

それに、安倍首相ほど断固とした方針をつらぬきアメリカに影響力を及ぼせない政権に交代する可能性は期待できないと彼らが認識するかどうかも大事なことだ。

森友の財務省の木っ端役人が少し文書に手を加えたかどうかで総辞職だとか騒ぐことは、平和への冒涜、核なき世界への挑戦でしかない。

また、制裁の解除は話し合いのテーブルに着くことではいかなる緩和もないという原則も大事なことだ。非核化へ具体的行動が示されるまでは、ひたすらに強化するべきだ。

首相官邸サイトより(昨年7月の日米韓首脳会談:編集部)

日本に韓国もアメリカも期待するのは、経済的支援である。日本は小泉内閣が、日朝平壌宣言で、拉致問題の解決や核についての約束の履行を条件に経済支援を約束している。その後、拉致問題についても、核についても条件が満たされないから、破棄しても信義則には反しないとは思う。しかし、経済支援は実行しても、実行しないと宣言しても、こちら側の力としては価値を失う。その両面性をしっかり見据えて行動することだ。

拉致問題については、生存者をすべて帰還させることがダントツ最重要で、これは譲れない(真相究明もこれ以上、誰もいないと納得させるために必要)。ただ、金正日のときと違って、指導者自身が拉致に関わっていたわけでないので、その分は日本は柔軟になれることは意外に重要な要素だ。この点は、『韓国と日本がわかる 最強の韓国史』(扶桑社新書)でも強調したところである。

そして、拉致や核が最終解決すれば、日朝間の良い関係は可能だと思う。伝統的に、日本は新羅よりは百済、高句麗とのほうが良い関係だった。わが皇室は新羅とは何の関係もないが、高句麗と百済の王室のDNAを少しだが受け継いでいる。

そして、金正恩と金与正の母親は大阪で生まれ育っているし、これまでも日本の文化に対しては前向きの姿勢をあの韓国よりはまだしも見せてきた。また、北朝鮮の経済再建には、在日朝鮮人の人々の力は欠かせないと思う。
現在は、北朝鮮の核戦力の進展阻止のために、甘いことは絶対にできないが、それさえなくなれば、朝鮮総連でも北朝鮮内の親日勢力として有益な存在になり得ると思う。

金正恩一族などの保護も日本と中国、場合によってはロシアが協力して保障しても良いと思う。アメリカはカダフィに反故を約束して破ったので信用されないし、韓国政府の約束など何の価値もあるまい。

*上記の趣旨の概要は「夕刊フジ」3月8日号の記事の中で私の意見として紹介されたものを文章化したものである。

韓国と日本がわかる最強の韓国史 (扶桑社新書)
八幡 和郎
扶桑社
2017-12-24
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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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