努力を継続しても成果が出ない時は、どうすればいいのか?

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

物事を継続することは、とても難しいですよね?ブログ、ビジネス、日記、筋トレ、ダイエット、英会話など、どんなものでも難しいです。初心でどれだけ熱い思いを持って始めても、時間の経過とともに熱は冷めていき、年単位で自主的に物事を継続できる人はほとんどいません。ひと頃、SNSで流行った言葉に

「したい人、10000人。始める人、100人。続ける人、1人。」

というものがありましたが、この数字は大げさではなく本当だと思います。多くの人にとって継続が難しいからこそ、継続ノウハウ本が書店に並んでいるわけです。継続することが難しいので、「何事も継続することは素晴らしい!」と努力を称賛されがちですが、継続以上に大切なものがあります。それは「変化」です。質の伴わない努力の継続は時に悲劇を生んでしまいます。継続できればなんでも良いわけではなく、重要なのはその質です。何も考えずに物事を続けてしまうことの問題点は、継続が目的化することで思考停止に陥り、「変化」が出来なくなってしまうことなのです。

このスピーディーに変化していく現代においては、変化が出来なくなることは命取りになります。時代や消費者ニーズが変化していても、それに対応できないと世の中に求められるビジネスが出来なくなってしまうからです。

継続が目的化したブログやビジネスの末路

私が時々覗いているブログがあります。そのブログ主はフリーターを続けながら、ブログをマネタイズするプロブロガーを目指していると公言しており、毎日頑張ってブログを更新しています。ブログに広告を貼り、元旦もクリスマスも関係なく静かに雪が振り続けるように、せっせとブログを更新し続けているのです。昨日も、そして今日も日々淡々と記事が更新されています。

しかし、開設当初から数年が経過するそのブログは、悲しいほどにPV数が増えておらず、何のコメントもついていません。なぜかというとそのブログ、努力の方向性が誤っています。書いている内容が誰にとってもメリットの得られるものになっておらず、必要とされない記事を生産し続けているのです。ブログ主と話したことはないのですが、おそらく躍起になって更新することそのものが目的になっているのでしょう。継続していることはすごいことです。しかし、彼に必要なのはこれ以上の継続ではなく、「変化」の方なのです。

私が東京に住んでいた頃、近所にラーメン屋がありました。最初はパッと見て「ここって倉庫なのか?」と思ってしまうような外観のお店で、店内も外からは見えず、看板はありましたがいまいち何をやっている店なのかもよく分からず、ホームページもありません。もちろんですが、お客が入っている様子を一度たりとも見たことがありませんでした。お店の前を毎日通りかかっているそのお店が実はラーメン屋だったと知ったのは、ある日偶然店の扉が開けっ放しになっていて店主が麺の仕込みをしている様子を見かけた時です。そのくらい全てがわかりづらく、見えづらいお店は数年経過した後に、最後にはとうとう潰れてしまいました。

途中で必要な変化をもたらすことができれば、結果は変わっていたかもしれませんが、そのお店についていえば最後までそれが出来なかったために潰れてしまったわけです。ビジネスが潰れてしまう最大の理由は、強力なライバルの出現や、競争に敗北したからというより、必要に応じて変化ができなくしまったからではないでしょうか。商品・サービスが売れない理由は、実は自分自身にあると私は思っています。

売れないブログや、売れないビジネスは継続してはいけません。「売れるかどうかはやってみないと分からない」という言葉があってそれは正しいことだと思うのですが、「もしも努力をしても成果が出ないのであれば、そのまま継続せず成果の出るやり方に変化する」ということこそが重要なのです。

成果が出なければ変化する勇気を持つ

ブログや立ち上げたビジネスが継続できる人はほんの一握り、それ自体素晴らしいことです。しかし、継続以上に重要なことは「思うような成果が出ていないなら変化のメスを入れる」ということです。

自分で必要な変化に気付くことは非常に難しいものです。自分でやっていることを「間違っているのでは?」と疑うことは想像以上に心の苦しいことです。世の中の多くの人は「自分の人生はこれで正しい」と自分に言い聞かせ、毎日を生きているのではないでしょうか。しかし、ある程度やってみて成果が出ていないのであれば、どこかで変化をもたらす勇気を持つことが必要です。

変化をもたらすにはどうしたら良いのでしょうか?そのやり方の一つに「第3者からの指摘を受ける」というものがあります。言葉にするのは簡単ですが、実際にやるとなるとこれが非常に辛く、心が苦しい作業になります。私のケースでお話をさせてください。私はフルーツビジネスのジャーナリストとして、日々原稿を書いて雑誌やネットメディアの編集者に提出をしています。そこで原稿の内容をチェック、修正した後に記事としてリリースされています。その過程で編集者から厳しい言葉を頂くのはしょっちゅうです。

「読者不在の記事で読んでいても面白くありません。」

「主張に説得力がありません。根拠を記載してください。」

「総花的ですので、きちんとテーマを絞ってください。」

といったもので、駆け出しの頃に比べると少しは改善したと自分でも思いますが、当初はこうしたコメントがグサグサッと心に刺さって、指摘を受けた日は半日以上ジンジン心を傷めていたほどです。しかし、こうした指摘を頂けることで記事の出来栄えは格段に良くなりました。自分がそれまで出来ていなかった事に気付くことができ、新たな情報のアンテナが立ったりすることで確実にパワーアップ出来たのです。これは外部からの指摘が変化をもたらした結果、起きたことです。

変化をもたらしてくれるのは、編集者だけではありません。リリースした記事が第三者の目に触れ、時には批判を受けるという「市場からの評価」も変化をもたらしてくれます。昔は掲載した記事が言葉足らずだったりして炎上することもあり、ブログなどで「黒坂というバカが変な記事を書いている」といった批判を書かれることが何回もありました。

最初の頃は「この人は記事をちゃんと読んでいない。誤解して私を批判している」と憤りを感じた瞬間もあったのですが、よくよく考えてみれば誤解されてしまったのは自分の書き方が悪かった、言葉足らずだったと思える部分もあったのです。今でも批判を頂くことはありますが、「確かにそのとおりだな」と思えるような指摘については、次回の記事を書く上での参考にさせてもらうようにしてきたことで、最近は昔ほど叩かれることも少なくなってきました。最初の頃は思いつくまま、個人ブログで好き勝手書いていて、PV数も小さくてまったく反響がなかったのですが、編集者や読者からのフィードバックと真摯に向き合い、自身に変化をもたらしたことで少しずつ反響が得られるようになったと実感しています。

第3者の目で厳しく指摘を受け、市場からの評価を冷静に受け止めることにより、誤った継続でお金や時間をムダにする事に歯止めをかけることができます。今の自分のやっていることで成果が出ておらず、満足がいっていないなら第3者から指摘をしてもらい、改善していくことで変化をもたらすことが改善策の一つになります。それは「過去の自分の取り組みを否定する」というなんとも辛い時間ではありますが、躊躇する気持ちをグッとこらえる心の強さを持つ必要があります。

変化をもたらし、次に踏み出す一歩は変化する前のものに比べて、より強固なものになるのです。ムダな継続ほど罪深きものはありません。やってもやっても成果が出ないことほど、人の心を傷つけるものはないのです。

ビジネスがうまくいかず、市場から退場することになる最大の原因は、継続が出来ないだけでなく、必要な変化ができなくなってしまうことにあります。心を強く持ち、環境変化に柔軟に変化していくことが重要と考えています。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表