EQで子供を伸ばす?勉強を遊びに変える「親勉」がアツい

2018年03月28日 06:00

「親勉」ツールを手にする、かとうさん

首都圏のお母さんを中心に「親勉」が流行っている。「親勉」とは1日10分、親が子に勉強を遊びで与える家庭学習法になる。子育てのひとつで、「勉強を遊びに変える手法」といえばわかりやすいかも知れない。

今回は、「親勉」の普及につとめている、「かとうきさよ」さんに話を聞いた。国内大手金融機関に勤務しながら、インストラクター活動を開始した。いまでは、関西を中心にインストラクターを養成している。実は、「親勉」がEQ(Emotional Intelligence Quotient)のメソッドを効果的に活用していたため話を伺ったものである。

いま話題の「親勉」とはなにか

以前、子ども教育におけるEQの可能性を研究したことがある。結果は、知的好奇心が刺激されると関心を示す点と、両親の理解や支援があることで、より高い相乗効果を生むというものだった。では、かとうさんはEQのどの部分に着目したのだろうか。

「それは、『人生って最高に楽しい!』などの、人生を謳歌するために必要不可欠な『明るい』『嬉しい』『楽しい』などのプラスの感情です。この、プラスの感情が自分自身の力で湧き上がるようにコントロールする能力(EQ)が必要だと言われています。文科省の学習指導要領のなかでうたわれる『生きる力』も同じ意味だと思います。」(かとうさん)

「『EQ』は、高いほうが、学校での成績はもちろんのこと、豊かな人間関係を築いたり社会的に成功する上で有利になってくること。そして大事なポイントは、EQは子どもの頃に伸ばしやすいということ。この点に関心を持ちました。」(同)

たしかに、EQはものごとをピュアに受け止められる、子どものほうが伸ばしやすいという特徴がある。自分の気持に素直になり、感情をコントロールし、他者と人間関係性を構築する能力などがあげられる。

「『親勉』では、小学校時代の最大の暗記と言われる47都道府県を、パズルやカードゲームで楽しく遊びながら、幼児でもいつの間にか覚えてしまいます。遊びだから、『お母さん、もっと遊ぼう!』『もっとやりたい!』と夢中になって覚えます。」(かとうさん)

「同じ暗記をする勉強でも、『こんなに沢山覚えるの、大変だな』『難しいな』と感じながら覚えるのとでは、大違いですね。」(同)

EQは、「包括的な人間関係構築能力」であり、社会的知性としても知られている。

「親ごさんが勉強に興味を持って、積極的に学ぶ姿勢を見せることも大切ではないかと思います。なぜかというと、子どもにとって両親は一番身近にいる人間関係のお手本。お父さん、お母さんが学ぶことを喜び、勉強は楽しんでするものという姿勢を見せると、子どもは自然に勉強への興味を育んでいきます。」(かとうさん)

「お父さんやお母さんが一緒に遊んで、たっぷりの愛情を幼少期から受けた子はEQの高い子に育つでしょう。遊びを通じて、たくさん会話をしてあげることができます。たくさん親と会話をした子は感情が豊かに育ちますから。」(同)

EQはなぜ効果的なのか

私たちは、日常的にEQを活用している。人の行動は情動に影響を受ける。全ての行動は情動によって導き出される。情動を上手くコントロールできないと、適切な人間関係を構築していくことが難しい。かとうさんは、EQの可能性を次のように解説する。

「親が子に『勉強しなさい』と言うのは時間の無駄。勉強への関わり方を変えましょう。『親勉』では、例えばドリルをやらせるように、勉強を勉強として与えるのではなく、勉強をカードやゲームと言った遊びに変えましょうと教えています。」(かとうさん)

「小学校時代に英検3級、高校までにTOEIC600を目標に英語戦略を立てることもすすめていますが、その時に重要なのが、努力や過程に対してご褒美を与えること。ご褒美を与えることは有効という研究結果『Financial Incentives and Student Achievement: Evidence from Randomized Trials」』(Roland G. Fryer, Jr.)もあります。」(同)

かとうさんによれば、「親勉」を取り入れることで、夫婦仲が改善したケースが増えているとのこと。お互い仕事で忙しく、夫は妻に子どものことは任せきり。そんな夫婦にこそEQの考え方は効果的ともいえる。

「コミュニケーション力が低く、困難に立ち向かえない子が多いと言われている時代です。自分の感情をコントロールしながら、物事に意欲的に取り組めるようになったり、相手を思いやることができ人間関係が豊かな子。そんなEQの高い子に育てるには、幼少期の親との関わりはとても重要です。」(かとうさん)

まさに、「親勉」はEQを効果的に活用した家庭学習法であることがご理解いただけるのではないかと思う。親に愛されている子どもはEQを伸ばしやすいともいわれている。今後の、「親勉」の展開に注目したい。

尾藤克之
コラムニスト

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