【映画評】娼年

2018年04月10日 06:00
娼年 (集英社文庫)

大学生のリョウはバーでアルバイトをしながら、退屈で無気力な日々を送っていた。ある日、秘密の会員制ボーイズクラブ、パッションのオーナー、御堂静香と出会ったリョウは、パッションで娼夫として働き始める。さまざまな女性と出会ううちに、リョウは、女性の中の欲望の奥深さを知ることになるが…。

無気力な青年が男娼となることで成長していく官能的なドラマ「娼年」。原作は石田衣良の小説で、舞台と同じ三浦大輔監督と松坂桃李主演で映画化したものだ。大胆かつリアルな性描写が話題だが、女性のヌードより、松坂桃李の脱ぎっぷりの良さが際立っている。女なんてつまらないと考えていた主人公リョウが、肉体と性を通じて、変化していくプロセスは、人間的に成長していくリョウの表情の変化を見れば一目瞭然だ。裸体よりも顔のアップにこだわった映像が多いのもうなずける。女性たち(時には男性も)の性癖のふり幅が広く、思わず吹き出してしまう描写も。あまりにもセックスシーンが多いのでぐったりつかれるが、艶笑描写のおかげでほどよく力がぬけるのがいい。

それにしても、昨今、俳優として多彩な面を見せてくれる松坂桃李の役者魂はすごい。本作は文字通り、体当たりの演技だが、最近の彼の出演作を見れば、難役に挑むチャレンジ精神に頭が下がる。これからますます面白い俳優になりそうで、彼の出演作から目が離せない。
【60点】
(原題「娼年」)
(日本/三浦大輔監督/松坂桃李、真飛聖、冨手麻妙、他)
(成長物語度:★★★★☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2018年4月9日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Twitterから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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