大人の教養:春を感じる漢字の成り立ちについて

2018年04月11日 06:00

写真は田代さんが撮影したもの。

「漢字」には、先人たちのどのような想いが込められているのか。道を歩いていてさまざまな植物を見かけ春を感じる。嬉しいものである。しかし、まだ天気の変化が大きい。靄が出るほど暖かい朝を迎えた日もあれば、寒い朝もある。

今回は、田代幾美さん(会社員、ブロガー・「100歳以上生きる!!」)と、伊東稔さん(漢検2級、整体師、カイロプラクター)に、漢字に関するエピソードを伺った。なお、伊東さんの近著には『ねこ背を治す教科書』(ソーテック社)がある。

タンポポとツクシに学ぶ漢字のエトセトラ

「先日、『春の野草定番』ともいうべき、タンポポとツクシが仲良く並んでいるのを見て
ふと、タンポポ、ツクシって漢字でどう書くのだろう?と思い調べてみました。漢字を見ると知識脳がくすぐられます。ここで、『漢検二級』をお持ちの友人・伊東稔さんとコミュニケーションしながら、さらに調べを進めていきます。」(田代さん)

「タンポポは漢字で蒲公英。なんでこれで『タンポポ』って読むのだろう?『ツクシ』は漢字で土筆。「つち・ふで」ってなんとも趣があると思いませんか。次に図書館に行って調べてみました。広辞苑では、『葉は食用とし、根全体を乾燥したものが漢方生薬の蒲公英(ホコウエイ)で、健胃・催乳剤』とありました。」(同)

田代さんによれば、「蒲公英」は、音読みの「ホコウエイ」のようである。大辞林には漢名と載っている。PCやスマホで「たんぽぽ」と入力すると、「蒲公英」と変換される。

「次はツクシ。図鑑ではこんな感じに書いてあります。スギナとツクシとは一対、生育過程で異なる形状・呼び名になるのですね。確かにいっつも隣り合わせに生えています。土筆は日本名で引き名はスギナとあります。」(田代さん)

「その栄養茎をスギナ、胞子茎をツクシ(土筆)と呼び、ツクシの方は食用とされる。土から出てきた胞子茎は、伸びきる前は先端まで『袴』に覆われており、その形状が『筆』に似ていることから、『土筆』という字を当てられるようになったものと考えられます。まさに、『つち・ふで』なのですね」(同)

「スギナには生薬としての効能があります。栄養茎の全草を乾燥させたものは生薬名を問荊(もんけい)といい利尿作用があります。生薬としてのスギナの効用は古くから伝承されていました。野の植物とはその名や漢字の由来に始まり、効能もさまざまあって、とっても面白いですね。次に問題を出すので解いてみてください。」(伊東さん)

次の漢字が解けたら漢検1級レベル?

漢字好きの読者の皆さまに、田代さんと、伊東さんから例題がある。漢字の読み方と、漢字の意味が全問わかればかなりのセンスの持ち主だ。2人によれば漢検1級レベル(あくまでも勝手認定ですが)とのこと。ぜひ、チャレンジいただきたい。

<読めない、書けない、漢字一覧>

1.躑躅→ツツジ。
2.燕子花、杜若→カキツバタ。
3.紫陽花→アジサイ。これは漢名の「誤用」になる。
4.向日葵→ヒマワリ。
5.甘蕉→バナナ。日本では「芭蕉の木」といわれている。
6.西瓜→スイカの漢名。
7.竜髭菜→アスパラガス。葉が「竜の髭」に似ていることより当て字。
8.蕃茄→トマトの漢名。確かにナス科です。
9.和蘭芹→パセリ。「オランダのセリ」が由来。
10.扁桃→アーモンドの漢名。

「燕子花、杜若→カキツバタは、漢名由来ですが『誤用』。日本ではアヤメ科、中国で燕子花はキンポウゲ科、杜若はツユクサ科の、別の花になります。『つばめ・子・はな』の文字列に趣があります。」(田代さん)

「向日葵→ヒマワリの由来は『花が太陽に向かって回る』ことから名づけられました。向日葵の花は一方向を向いていますよね。『燦燦と輝く太陽と向日葵の関係』がそんなふうに思えたのかも知れません。」(伊東さん)

当て字だったり、漢字そのものも諸説複数ある場合もあるようだが、花、果物、野菜などの漢字やその由来を調べてみて、さらに季節に思いを馳せるのも楽しいものである。

尾藤克之
コラムニスト
代議士秘書、コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。著書はビジネス書、実用書を中心に10冊。『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)が発売後、1週間で重版。現在好評発売中。Twitter:@k_bito

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尾藤 克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

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