失敗談や恥ずかしい過去を暴露すると、信頼を得られる理由

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

誰しも失敗談やコンプレックス、恥ずかしい過去を持っています。それが世間的に見て、成功しているようにしか見えない人も同じ状況なのです。しかし、世の中の多くの人は失敗談やコンプレックスを隠そう、隠そうとしてしまいます。そして、背伸びをして人から羨ましいと思われたいと考えてしまいます。SNSを見るとそれがすぐに分かります。みんなキラキラした自分を演出しています。ビジネス戦略上、必要性に駆られてやっているなら別ですが、そうでない人がリア充PRをしても共感を得ることはないと思っています。むしろ、やればやるほど人の心は離れていくと考えます。

成功体験ばかりではなく、あえて失敗談や恥ずかしい過去、コンプレックスを積極的に発信することで人から共感や信用を得ることが出来ると思います。

高学歴エリートの意外な悩み

東大卒で大手企業に勤務して、教育ビジネスで起業した知人にいます。誰が見てもため息が出てしまうような素晴らしい経歴だと思いませんか?しかし、彼はこのようにいっていました。「起業当初はなかなか人から共感を得られず、随分と苦労した」と。確かにそうかも知れません。これほどの高学歴エリートが「勉強の悩みを解消しましょう!頑張れば自分のようになれますよ!」と呼びかけても、多くの人は「そりゃあなたは優秀だから出来るんだろうよ」と思われてしまうのも仕方がないかもしれません。

私は過去に、お金をかけている人ほど英語学習が成功しない理由という記事を書きました。アゴラやYahooニュースにも掲載されたのですが、自分が考えるより大きな反響があって驚かされました。詳しくは記事の中に書いているのですが、私は元々英語が得意でもお金をかけてみっちり特訓をしたわけでもありません。ド底辺工業高校卒でBe動詞と一般動詞の違いも理解できない落ちこぼれでした。しかし、学歴なし、お金をかけられないが故に、お金をかけない英語学習法を見つけ出し結果的にTOEIC985点を取得する英語力を身につけることが出来ました。おそらく、帰国子女が私と同じ「英語なんてお金をかけなくても身に付けられるよ!」と主張しても共感は得られないと思います。なぜなら英語力を身に着けたい人は「そりゃ帰国子女だからでしょ」と思うからです。当然ですよね?でも、金無し、学歴なしの人間がやったからこそ、それなりの反響を得られたものと考えます。

エリートで失敗知らずに見える人は、その惚れ惚れするようなキャリアが、かえって多くの人の共感を遠ざけることがあります。それこそがエリートならではの悩みではないでしょうか。

教えてもらうなら自分よりちょっと先輩がベスト

また、そもそも人は誰かから何かを教わる場合、自分よりはるか上のものすごい大物からより、自分よりちょっと先輩くらいから教わりたいと思うものです。

例えば投資、これからの不透明な先行きに不安を感じて「よし、投資を始めてみよう」と考えた時に誰から教わりたいと思うでしょうか?

・自分より5年早く投資の世界に入って、大きな資産を築いた同年代の方。

・ニューヨークマンハッタンに高層ビルをいくつも保有するファンドマネージャー。

間違いなく前者だと思います。同年代の人で、自分より早く投資の世界に入ったというなら、あれこれ失敗もしたでしょうし話も分かりやすく教えてもらえそうです。反面、後者は投資をしたことがない人からするとまさに別次元の人間で、話も難しそうですし何より教わる内容を役立てられる自信がありません。

これは投資に限らず、あらゆる話において同じことが言えます。男性が料理を趣味にしたい!と思ったら、誰から教わりたいでしょうか?英国皇室でプロの料理を作っているプロのシェフではなく、同じ男性で奥さんに喜ばれる料理を作っているカジメンからですよね?

何かを教わるなら、自分よりちょっと先輩だったり同じような境遇や年代からの方が得られる物が多いと考えるものなのです。成功した自慢ばかりPRしているのでは、ますます「そんなすごい人から教わるなんて」とますます人を遠ざけてしまうと思うのです。

失敗や恥ずかしい体験には価値がある

ビジネスの原理原則に「希少性のあるものは価値が高い」があります。数が少ないものはそれだけで価値があります。

多くの人は自分を高く見せたいと思うもの。また、そうでない人も等身大でいたいと思うのが普通で、失敗談や恥ずかしい体験談を積極的に語ろうという人はほとんどいません。で、あるからこそ失敗談を語るだけで価値があるのです。投資の体験談を語るブログを見てみて下さい。

ほとんどが「短期間にこれだけ儲かった!!」「元手が少ないのに儲かった!」という体験談ばかり、下手をすると自慢をしているだけです。投資でうまくいった事例というのはよほどセンスに優れていたか、たまたま時代に恵まれていたことが多く、多くの人に再現性がないので価値提供をしていることにはならないのです。そんな自分のためにならない投資記事に辟易をしていたのですが、私はあるブログに釘付けになりました。

それは投資で大失敗をして苦しい思いをした事を書いている記事です。「こうやると失敗してしまうので、あなたは気をつけて下さい」とこういっているわけです。とても参考になります。成功例は同じことをしても再現性がないこともありますが、失敗談というのは、同じことをしなければ回避できますからそれを伝えてくれるだけでものすごく役に立つのです。多くの人が集まり、参考になったとお礼のコメントを残しているのがとても印象的でした。

自慢をしても何もメリットがないばかりか、人が離れていくだけです。失敗談やコンプレックスこそ、どんどん発信することで人を引き寄せることが出来るのです。