望月衣塑子氏とまさかの共演:「他流試合」としてのテレビの意義

2018年05月07日 11:30

あっという間にGWが終わった。春先に沖縄へ家族旅行に行ったこともあり、今年のGWは都内で静養した。

GWが終わって仕事のプレッシャーの現実に沈鬱な人も多いだろう。フリーで働くようになってからは、選挙等の案件が差し迫っていない限りは“五月病”的なものは感じなかったのだが、今年はちょっと違う。それもそのはず。私が数か月おきにコメンテイターで出演しているTOKYO MX「モーニングCROSS」で、なんと東京新聞・望月衣塑子記者との共演が決まり、その日が9日に迫ってきたのだ。

番組サイトより

当初は、別の似た感じの女性コメンテイターが出演する予定だったのだが、都合により緊急リリーフ登板してきたのが、望月氏だった次第だ。一報を聞いたときは、いささか面食らったが、むしろいまは武者震いがしている。ツイッターやフェイスブックで共演の話を告知したら瞬く間に反響が集まった。いやはや、時の人との共演は注目されるものらしい。


望月氏といえば、菅官房長官への噛みつきぶりで一躍ブレイク。左派系メディアを中心にニューヒロインとして脚光を浴びたことを周知の通りだ。(いまさら気づいたが同じ1975年生まれの同級生らしい。ただ、新聞記者を早々に辞めた私よりも記者としての実績は彼女のほうが断然格上だ。)

その言動に当初から政治的な思想信条等は、私とは水と油の関係であることは容易にわかったが、しかし、彼女が台頭してきた昨年5月から夏にかけては、都議選に向けて動く政局や、蓮舫氏の国籍問題の再燃に自分自身の関心や取材のリソースを注力したこともあり、とりたてて言及することはなかった。

彼女に関して初めて取り上げた記事は、蓮舫氏が代表を辞任した直後の文春オンラインの記事への批評だった。ただ、このときは望月氏への批判というよりも文春オンラインの“左傾化”論調を論じたものだ。

その局面が思わぬ形で変わったのは、その蓮舫氏の問題関連のことだ。山尾志桜里氏との女性誌での対談で、望月氏が、蓮舫氏を追及する男性記者たちの心理について性差別論的な物言いをしていたため、法とファクトに基づいて真面目に国籍問題を取り上げてきた私としては侮辱されたような思いをして憤慨し、彼女と東京新聞に対しネット上で抗議声明をあげた。また、彼女が森ゆうこ参議院議員と共著を出したときには、現役新聞記者が現職国会議員と著書を出すことへの問題提起もしてきた。

予想した通り、なんの反応もなかったが、そもそも論調的に水と油のアゴラや私のことなど、彼女は知らないかもしれない。各種メディアでスポットライトを浴びている彼女に比べ、ネット言論の片隅で細々と生息している私など、今日この時点でも私の名前など知られているのかも怪しいだろう。

番組は、日曜のオンエア時は「朝生」のように「対決型」の討論形式だが、平日のオンエアはコメンテイターが個々にニュースについて述べる「論評型」であり、机に並列に座る形からも対決型には向いている仕組みではない。なので、アゴラの愛読者の皆さんが期待するような「直接対決」が思うほど盛り上がるのか微妙な感もある。

しかし、せっかくの貴重な機会だ。特に番組中盤(7時45分ごろ〜8時過ぎ)のオピニオンクロスのコーナーは各コメンテイターが独自の視点でニュースを論評するので、このときに取り上げるテーマ次第ではちょっとした議論があるかもしれない。

実はGW明けで気が重いのは、このネタが定まらないからだ(苦笑)。野党のダメさ加減や、麻生財務相の「セクハラ罪はない」発言の是非などをテーマにすれば、望月氏との議論を誘発しやすいだろう。反面、アゴラとしては先日直面した都議のブログ削除問題にみる都政・都議会の話も提起したい。安倍政権による電波改革についても重要な局面が近づいているので、クロスは堂々とこの問題を取り上げられる希少な機会だから、次いつ呼ばれるか分からない弱小コメンテイターとしては、あれもこれも話したいと悩ましくなってくる。

ただ、いずれにせよ、番組に呼ばれることは非常にありがたい。ネットメディアに軸足を置く人間がテレビに出ることに、批判的な向きも一部あるが、ネットではどうしても私の考えが届かない視聴者層はいる。さらには、この番組を通じて、さまざまなバックボーンの第一人者と出会う機会も得られたことが大きい。ネットの時代は、良くも悪くもタコツボ化、分断が進む嫌いはあるので、こうした「異種格闘技戦」や「他流試合」のプラットフォームの存在意義は大きいと思う。

近年はキー局を中心に無難なキャスティングに終始する傾向が強まっているとされるし、私もその印象は強く感じる。しかし、田原総一朗さんは以前、朝生30年に際して出した著書『暴走司会者』(中央公論新社)で、賛否が真っ二つに別れる原発を例に挙げ「議論が噛み合わないことに意味がある」と指摘していた。その朝生も右から左までパワフルな論客による、激しいバトルが少なくなっているように感じるが、キー局の番組から失われつつある、そういう多様性の維持、カオス感がMXやAbemaTVに継承されているのは心強く思う。

そういうわけで、望月氏との共演がどうなるか、ご笑覧いただければ幸いだ。(首都圏以外はリアルタイムのネット中継「エムキャス」でご覧いただけるようです)

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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