スペイン・カヴァの老舗コドルニウに米ファンド・カーライルが買収意向

2018年05月10日 06:00

Wikipediaより:編集部

スペインのカヴァ(CAVA)生産業者の両雄フレシネ(Freixenet)とコドルニウ(Codorniu)はライバルということが刺激となって双方が今日まで伸展して来た。

フレシネ:創業1889年。カヴァの生産は1914年から始めて、現在販売の8割は輸出向け。世界最大のスパークリングワイン生産業者に成長している。ところが、最近2年前から輸出が不振で外国の子会社が赤字経営で本社の業績にマイナス影響を与えている。2017年度の年商5億3500万ユーロ(695億円)。負債は3億1800万ユーロ(413億円)。創業者ペドロ・フェレール・ボッシュの血筋から現在3家族12人が株主で経営に携わっている。

スペインそして輸出市場の低迷から経営不振で経営について3家族の間で意見の食い違いが目立つようになり、結局経営に不満を持っていた株主がドイツのスパークリングワイン生産業者ヘンケル(Henkell)に50.7%の株を売却することを3月に決定。ヘンケルの買収額は2億2000万ユーロ(286億円)。過半数の株を取得してフレシネの経営をコントロールすることになった。

フレシネの売却はコドルニウの経営陣そして株主に可成りの影響を与えたようである。しかも、それに重圧をかけるかのように米国の投資ファンドカーライル(Carlyle)から買収したい意向が最近伝えられたのである。

コドルニウ:創業1551年。スペインで最も古い企業である。カヴァの生産は1872年から始めた。2017年度の年商2億3600万ユーロ(307億円)、経常利益1600万ユーロ(20億8000万円)。6月締めの2018年度の年商は昨年度に比べ売上は減少するが経常利益は2600万(33億8000万円)から3000万ユーロ(39億円)を見込んでいるという。負債は9000万ユーロ(117億円)。

コドルニウは社歴が示しているように歴史が古く、創業者ミケル・レベントスのレベントス家が跡を継いで現在5家族、216人の株主がいる。彼らは15-17代目になるという。

フレシネと同じように、コドルニウも同族内で会社の株を分担しているということから会社が危機に直面すると統一を欠く行動を取る株主が現れるのである。

現在のCEOは1998年からマル・レベントスが継続し、ゼネラルマネジャーはハビエル・パジェス・レベントスが務めている。彼ら経営陣は外部からの経営参加には歓迎するが、それは飽くまで過半数に満たない株を所有しての経営参加ということを念頭に置いている。今回のカーライルからの提案は会社の経営権を握るということが前提にあるという。

4月18日に緊急で株主を集めた会合で、現在の経営陣の過半数の株の売却に反対する方針が承認されたという。昨年、現経営陣の方針に反対を表明した株主は29.7%だったというのは確認されている。

現経営陣が外部からの経営参加で株主になることに賛成している理由は、会社の方針に反対している株主が自分の持ち株を売却できる道をつけるためであるとしている。16世紀から継続しているレベントス家の企業の経営権を外部に任す意思は経営陣には毛頭ないという構えなのである。

これまで株主との問題が表沙汰になった危機は2度あるという。一度目は1982年に株主ジュセプ・マリア・レベントス・ネグラが他の株主と意見の相違から彼自らワイン醸造会社を設立したこと。二度目は2006年に同じく当時の経営陣の方針に不満な株主がカヴァを生産している他社を買収し、その後もワイン生産業者1社を買収したという出来事であった。

そして、今回カーライルからの買収の動きが現れたことが三度目の危機となりそうである。特に問題の根底にあるのは、本社を構えているペネデス市の巷で囁かれているようにこの12年間株の配当金がまったく支給されていないということが株主の間で大なり小なり不満となっているというのである。フレシネに比較してコドルニウはスペイン国内での販売の比重が輸出よりも大きく、スペイン市場の消費市場の低迷が長く続いていることが販売の不振に繋がっている。それが株主への配当金が支給出来ない根本の理由になっている。

経営陣が警戒しているのは、カーライルが株主の関心を惹くような高額の値をつけて買い取る意向を示すようになると事態は予想外の展開を示すようになるかもしれないということなのである。

カーライルはつい最近オーストラリアのワイン生産業者1社を6億2700万ユーロ(815億円)で買収しており、ワイン事業をグローバルな展開を伸展させたい意向のようだ

コドルニウの経営陣は不満な株主の株を買収したいと望んではいるが、会社の負債が9000万ユーロあるということで、これ以上の負債は背負いたくないということなのである。

不満を持っている株主に対して現在経営陣が見せている姿勢は今年CEOのマル・レベントスが退任して、ゼネラルマネジャーのハビエル・パジェス・レベントスがCEOに昇格して、新たにゼネラルマネジャーを外部から雇うという方針である。この方針によって、初めて外部から経営陣が加わることになるということである。

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