現代サッカー風に都政・都議会の迷走を語ってみる --- 天野 貴昭

2018年05月11日 06:00

前回記事では、サッカーに詳しくない方のために現代サッカーの戦術について解説してみました。今回はそれを元に政治について考えてみます。

私に言わせると、今の日本社会、特に政界とは「選手が変わってもガバナンスは旧来のまま」の世界だなと思えています。

だから、誰がなにをやってもアタマのすげ替えだけで大して何も変わらないのではないでしょう

何かと話題の多い都議会を例に取らせて頂きますと、かつての都議会は…猪瀬さん、舛添さんという得点力のあるFWと、トップ下には『司令塔』ドン内田さんで攻撃を組み、後の皆様で中盤と終盤を固めてゴール前に閂(かんぬき)をかけるという、謂わば“カテナチオ”と呼ばれた50年前のイタリアのようなガバナンスを敷いていらしたようです。

これに対して、良く言えば「トータルフットボール」はっきり言えば「全員FWというマンガみたいなガバナンス」で内田さんお一人を狙いプレスをかけて撃破したのが都民ファーストさんでありました。

しかし都議選後の彼らはそれまでのスタイルを捨てて自民党と全く同じDF重視のガバナンスでチームを組み直すという相当な荒療治を施し、その結果新しい時代の到来を望んだ層からシラけられてしまいました。

『だったら自民党で良いじゃん』…誰だってそう思います。ナポレオンに失望したベートーベンの様なものです。彼らは政策で信頼回復が図れると思っていらっしゃる様ですがどうでしょう? 私はかなり方向性が違う気がしてなりませんが。

この様なご批判を申し上げると“他に手立てがないだろ! ”…とお叱りを受けるだろうとは思いますが、それは単純に他のガバナンスをご存知ないだけではないかとも存じます。

だいたい同じガバナンスを組めば同じ所を攻められるに決まっています。

トップ下に野田さんを置けば野田さんが、荒木さんを置けば荒木さんが内田さん同様にプレスの餌食になるだけです。誰が悪い訳でもないです、「トップ下依存型のガバナンスが古いだけ」ただそれだけです。

また、こういった新システム変革に対応出来ない「トルシエ時代の中村選手」が党内に数名いらっしゃる事や、熱狂的支援者の中に「トップ下崇拝者」(野球で言うなら「先発完投原理主義者」)が多くいる事は伝聞ながら伺っておりますので、そこが大ナタ振えない原因である事は想像に易いです。

ただまぁそれは、当事者選手が頑張って成長するしかないのではないでしょうか? まぁ別に構いませんが。

時代と共に旧来のガバナンスが通用しなくなるのは欧米諸国を始め社会全般が成長しているからです。成長が苦痛ならば成長を捨ててアーミッシュの様に鎖国するしかありません。

日本でこんな真似をしたら3年で他国から侵略される気がしてなりませんが、まぁそういったご意見も尊重するのが民主主義なのだろうとも思います。

若しくはトータルフットボールの扱えるマネージャーを補充出来れば、少なくとも現状打破は出来る気はします。

これも伝え聞いた話ですが、どうやら都民ファーストさんは都議選直後、サッカーで言えばトータルフットボールが得意なマネージャー“クライフ”にあたる選挙参謀の松田馨さんと契約解除している模様です。お互いプロでしょうから契約関連の話には余計な口を挟みませんが、ここまでの都民ファーストさんの行動を見るに、サッカーならば「トータルフットボール」、バスケットでいうと「ラン&ガンスタイル」を捨てて、ディフェンス偏重ガバナンスに走った豊玉高校と同じミスをしている気がしてなりません。

強いて言えば、現代社会でカテナチオを組んで良いのは戦力的に圧倒的マージンが取れた場合だけです。そしてそんなチームは何処にもありません。

もし都民ファーストさんの執行部の中で獲得議席数のみを根拠にマージンが取れていると勘違いしている方がいらしたら、その方は直ちに執行部から辞任すべきです。

別に執行部に残りたければ残っていればいいですが、その方は何をやっても絶対に組織を壊滅させますよ? 壊滅したらその方自身も困るでしょ? 一体それは誰得なのでしょう。

「故善戦者、求之於勢、不責於人」人数に頼る者は死滅し、勢いに頼る者が勝つ。ガバナンス云々関係なく、これは2000年前から伝わる勝負の鉄則です。

民主主義国家とは「全員サッカー」の様なものです。判断は個々の選手次第でしょうが、少なくとも私は旧来のガバナンスに固執する老人を守る為に、攻撃力ある若者の可能性を潰すようなチーム采配には価値を見出せません。

今回はあくまで一例として都議会の皆様をあげさせて頂きましたが、この様な現象は日本社会のあらゆる所で見かけます。

皆さんはどう思いますか?

天野貴昭
トータルトレーニング&コンディショニングラボ/エアグランド代表

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