それでも、ブラックカードを持ちたいあなたへ

2018年05月13日 06:00

画像は筆者が撮影したもの。

2018年5月4日にエントリーした「ブラックカードのメリットとはなにか?」がいまだにアクセス堅調である。「実際に所持していた人の記事は少ないので参考になる」「変遷や特典はまったく知らなかった」など多くのコメントもいただいた。

ブラックカードでもカードに過ぎないし、所持していることで財力や信用力が担保できるわけではない。しかし、取得したい人が増えているそうなので、私なりに分析してみた。

自分にブランドがあるとは

知人の、A社長、B社長の話をしたい。A社長を山田社長、B社長を鈴木社長と仮定しておく。2人ともそれなりの規模の会社の経営者だから一般的には成功者と言えるのだろう。しかし、2人の価値観が大きく異なっている。

山田社長は高級外車を乗り回している(会社の経費で購入している)。鈴木社長は中古の国産車を所有しているが、日常の移動は電車やタクシーが多い。

山田社長はお洒落である。トムフォードやヘンリープールなど、英国スーツが好みだ。ターンブル&アッサーのシャツにレジメンタル。JOHN LOBBを合わせ、シンプルな装いをスマートに着こなしている。鈴木社長は、国産の既製品スーツを着用している。家の洗濯機で洗えるからと形状記憶の2980円のシャツがお気に入りだ。

山田社長はブランド物が大好きである。財布の中には、もちろんチタン製の黒いカード。「このカードがあれば飛行機が買える」と豪語する。鈴木社長は財布を持たない。上着のポケットが財布代わりである。小銭はポケットに放り込んでいる。

ある日の出張の際の出来事になる。秘書の不手際でエコノミーに搭乗する羽目になった山田社長。機嫌が悪く周囲は萎縮している。会場となるホテルに到着したが、入ろうとすると「防犯のため荷物チェックをお願いします」とホテルのボーイに止められた。

山田社長はボーイに向かって「山田です、よろしく!」。ボーイは「失礼ですが、どちらの山田様でしょうか?」。山田社長はブチ切れて「オレを知らんのか!」「オレを誰だと思っているんだ!」と罵声を浴びせ、そのまま会場を後にしてしまった。

鈴木社長がある企業の講演に招かれた際の出来事になる。講演のあとには、幹部社員との懇親会が用意されていた。懇親会が開始して10分ほど経過した頃だろうか、鈴木社長の席に、ホテルの支配人が挨拶にやってきた。席には、特製の豪華舟盛が置かれた。

鈴木社長はひと言、次のように返した。「みんなと同じにしてもらえますか?」。支配人は困った顔でおろおろしている。するとさらにひと言、「もう歳で食べられないので。よかったら皆さんで召し上がってください」。

最近、増殖中の新しい人種がいる

成功すると人は自分にブランドがあると勘違いをする。山田社長はその傾向が強いのかもしれない。鈴木社長は、自らを主張したり誇示することはない。それが自分らしいことであることもよく知っている。

ところが、鈴木社長みたいなタイプはいまの時代には非常に少ない。しかも、謙虚だからいつの間にかフアンになっている人が多い。つまり、鈴木社長は「自分自身がブランドになっている」ということになる。

私は、仕事を通じながら、経営者には大きく2つのタイプがあることに気がついた。それが、山田社長と鈴木社長のタイプになる。山田社長は経営者だから許されるが、最近では企業の管理職クラスで、このようなタイプの人が増殖している。「Facebookおじさん」が有名だが、私はさらに3つのタイプがあると考えている。

それが、「ブラックカードおじさん」、「シュプリームおじさん」、「アルマンドおじさん」の3タイプである。「ブラックカードおじさん」は説明するまでもないので、「シュプリームおじさん」、「アルマンドおじさん」を解説したい。

<シュプリームおじさん>
シュプリーム(Supreme)は米国のファッションブランド。他ブランドやアーティストとのコラボが有名で、ナイキ、ルイ・ヴィトンなどが有名。しかも、コラボ商品は数が少ないため高額取引されている。ブレザーやジャケットにベースボールキャップを合わせたり、スーツにストリートスタイルを取り入れるのが特徴。芸能人でもフアンが多い。

「シュプリームおじさん」とは、中年おじさんが、ジャケットの下にシュプリームのTシャツを合わせ、キャップを合わせた格好のこと。若者に近づきたい系ファッションなのだが、イマイチ違和感がある人のことを指す。六本木、渋谷辺りで目撃されている。

<アルマンドおじさん>
最近、高級シャンパンのアルマンド(Armand)を飲み屋でいれる中年おじさんが増加している。従来、高級シャンパンとして君臨していたドンペリは誰でもいれられる酒として価値が下落してしまった。こうなると、見栄を張りたい中年おじさんを満足させられない。「ドンペリ」をいれたら「優越感に浸れた」ものが、効果が薄れてしまったのだから。

そこに登場したのがアルマンド。高級キャバクラでは安いボトルでも13万円以上はするという。これは、ドンペリの約3倍に該当する。キャバ嬢の新定番とも称されるアルマンドは、インパクトとオシャレ感は抜群。お店の売上に貢献し、お目当てのキャバ嬢もご満悦。その優越感がたまらないという、おじさんが増加中である。

シュプリームでアルマンドなあなたへ

前回は、カードは所詮カードであること。クレジットカードは「ライフスタイルにマッチしたものを所持することが望ましい」と結んだ。今回は、さらに、「シュプリームおじさん」「アルマンドおじさん」のようにならないように!と申し上げて結びとしたい。

シュプリームで武装し、アルマンドを抜いて、ブラックカードで支払いをすると、今迄とは違う世界が待っていると思っているアナタ。痛そうに見えるか否かは相手次第だが、自らを客観視してもらいたい。

おじさんであることを受け入れられず、心はまだまだ20代みたいな人は少なくないが、若者から見て「痛いおじさん」が多いことは事実。流行についていこうと必死だが、イマイチ外している。私も同世代なので、そう言われないように注意をしたい。

尾藤克之
コラムニスト

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