デジタル生保の可能性:私も新たな挑戦へ

2018年05月29日 11:30

新天地を明らかにした岩瀬氏(撮影は2015年、編集部)

“ビジネスとは社会に足跡を残すことだ”

これは、私がこれまでも強く心に思ってきた言葉のひとつです。その思いが、ライフネット生命の創業や生命保険業界にインパクトを与えた数多くの取組みに繋がってきたと自負しています。

3月22日に、ライフネット生命の社長を退任すること、すなわち「タスキを渡す」ことを発表してから、早くも2ヶ月が経ちました。発表後は皆さんから多くの言葉をいただきましたが、何よりうれしかったことは、次期社長となる森への激励の言葉の数々です。次なる成長に向けて時代の変化に対応できる柔軟性を持った体制を構築するうえで、タスキを託す森への皆さまからのご支援をいただけることに対して、感謝の気持ちでいっぱいです。

3月の発表以降、社内では新体制の船出にむけた準備が着々と進んでいます。開業10周年という節目もあって、新社長の森や役員だけでなく、社員の顔つきも、心なしか逞しく変わってきたように思います。彼らと力を合わせて、私たちライフネット生命は、 0(ゼロ)から 1 を、1 から 10 へ飛躍させ、「インターネットの生命保険会社」から「生命保険のインターネット企業」への変革という新たなステージにチャレンジしていきます。

そして、私自身も1つ、新たな挑戦を始めます。

7月1日より、アジア最大の生命保険会社であるAIAグループのGroup Chief Digital Officerに着任することになりました。AIAは米AIGグループのアジア太平洋地域における生命保険子会社でしたが、金融危機を契機に独立し、2010年に香港証券取引所に株式公開をしました。その後、アジア市場の発展に伴って成長し、現在の時価総額は世界の保険会社では中国の平安保険に次ぐ第二位の規模となっています。日本市場には進出していないので、生命保険業界以外の皆さまには馴染みの薄い名前かもしれません。

私の新たな挑戦は、このAIAグループで、デジタル・イノベーション戦略推進を担うことです。6月の株主総会後にライフネット生命の取締役に再任されれば、ライフネット生命における会長職とAIAグループでのGroup Chief Digital Officerの二足のわらじを履き、香港と東京を往復しながらデジタル生保の未来への可能性を創造するチャレンジが始まります。(ライフネット生命ではパラレルキャリア(複業)採用を推進しています。ご興味あれば、ご応募ください。

AIAグループの現行の経営会議メンバーは昨年CEOに昇格したマレーシア出身の Keng Hooi Ng氏を筆頭に、出身がイギリス、アメリカ、オーストラリア、中国(本土&香港)、インド、シンガポールなど多岐にわたり、ここに日本人の私が加わることになります。40歳であるインド出身のCTOの次に若いメンバーであり、Group Chief Digital Officerという役割からも、私に求められているものは明確だと考えています。

それは、この生命保険業界の未来を「デジタル」の力を最大限活用して創り上げることです。そして、今回このような機会を得られたのは、デジタル生保という概念がフィンテックの潮流に乗って顕在化しつつあること、それを具現化してきたライフネット生命がグローバルな生命保険業界でも「生命保険の未来を象徴する会社」と認識され、一定の評価を得ているからだと考えています。

この挑戦は、ライフネット生命を担うことができる次代の人材が育ったことともちろん無関係ではありません。次のステージに向かうライフネット生命において、新社長になる34歳の森をはじめとする新しい経営陣をサポートできることも、非常にうれしいことです。(森の新たな決意表明もご覧ください。)

自分にしかできない仕事を通じて、多くの人の人生に影響を与え、社会に自分の足跡を残したい。常にお客さま視点に立った、新しい生命保険会社を作りたい。このような、ライフネット生命を創業した初心に立ち返って、今後も生命保険の未来を創っていく仕事に一層邁進していきたいと思います。これからもライフネット生命ともども温かいご支援をお願いします。

岩瀬 大輔


編集部より:このブログは、岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2018年5月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。

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岩瀬 大輔
ライフネット生命保険代表取締役社長

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