日大タックル問題は、日本の教育システムの欠陥の表れ

2018年05月31日 06:00

先日、日大アメフト部のタックル問題に関して、「体育会系」が弱い心を育てる内田氏も栄氏も入院した理由という記事を書いたら、大変大きな反響がありました。この記事では、この日大タックル問題の本質は、『体育会系コミュニケーション』にあるという私の持論を書かせていただきました。

簡単に内容を紹介すると、多くの体育会系の上の人間は、曖昧な指示の元、下の人間に忖度させて組織動かしいて、手柄は自分、失敗は部下となりがち。そうしていると、普段、的確な指示をする事や反対意見に耳を傾ける事が一切なくなるので、いざという時にリーダシップを発揮できず、打たれ弱くなると書きました。それに共感した人も多いようで、Twitterにも、次のような感想が寄せられています。

やはり、アメフトという多くの人にとってルールも分からないスポーツに関する報道が連日行われる背景には、今回の出来事が日本の抱えるあらゆる問題に関係しているからでしょう。誰も『アメリカに負ける』と言えなかった第二次世界大戦から、現在の官僚の忖度問題まで、日本のありとあらゆる問題に、この『体育会系コミュニケーション』が絡んでいるはずです。

そうなると、日本人はそろそろ、この『体育会系コミュニケーション』を卒業するための方法を模索する必要があるのではないでしょうか。とはいっても、魔法のような方法はなく、日本では遅れている『コミュニケーション教育』に力を入れるしかないのだと思います。

さて、以前、アメリカ人の弁護士の話を聞いて、日本のコミュニケーション教育が、どのぐらい遅れているのか実感したことがあります。その弁護士の方は、アメリカの高校でディベートの授業を取り、プロパガンダとは何かなどを習ったとおっしゃっていました。一方、日本人の大半は、プロパガンダという単語を正確に理解しないまま死んでいくような気がします。

ですから、早急に日本も、アメリカのように学生のうちから、コミュニケーション教育に力を入れるべきなのではないでしょうか。とは言え、今回の日大の事件を見ても分かるように、現在の教育者こそ、困った『体育会系コミュニケーション』の当事者であり、そんな人たちが手動する形で、『コミュニケーション教育』を導入しても、もっと悪い事が起きるとしか予想できません。

そうなると、既存の教育システムを変えるしか、この『体育会系コミュニケーション』問題を解決する方法は無いという事なのだと思います。現在の学校教育は、全て国が教える内容を決めています。しかも、大昔に決めたことが、時代が変わっているのにも関わらず、何の疑問も持たずに行われています。

例えば、日本の教育の中で、最もコミュニケーションに近いのが、国語の時間かもしれません。その国語の時間では、生徒に順番に教科書を音読させるだけで、延々と時間を消費するという教育が定番です。こんな教師が賃金をもらうための言い訳にしかならないような、非効率な教育を、日本人は一体、いつまで継続するつもりなのでしょうか?

もし、全ての日本人が、まともな国語の教育の1つでも、受ける事が出来ていたら、日大タックル問題のような事は起きなかったかもしれません。そうであれば、少なくとも大学で教育に関わるような人物ともなれば、まともな意思疎通が出来る組織を運営する能力を持っていて、『言った。言わない。』レベルの低レベルな争いは起きようが無かったはずです。

私はアメリカ留学をきっかけに、アメリカでコミュニケーションの授業に初めて出会いました。そのおかげで、なんだか自分をうまく表現できない性格が大きく変わり、人生が大きく好転しました。ですから、自分の子供や、友人などには、コミュニケーション教育を受ける事を強くすすめたいです。しかし、今の既存の教育システムでは、国の教育政策が変わらない限り、よっぽどやる気がある人でない限り、私のようにコミュニケーション教育を受けるのは難しい状態です。

先週、私は、そのアメリカでコミュニケーション教育を受けた体験や、日本での放送作家としての活動の経験を元に、『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』という本を出版し、アマゾンでも総合31位になるなど割と評判が良いようです。アメリカで、どんな教育が受けられるかに興味がある人は、手前味噌ですが、そちらを読んでいただければ、雰囲気が分かると思います。

さて、このように、既存の教育システムには、コミュニケーション教育を導入すべきかどうか以前に、制度に大きなひずみがあると感じます。議論が飛翔しすぎているようにも感じますが、日大タックル問題を1つの個別の案件とはみなさず、日本の教育システムの重大な欠陥の表れと捉えて、根本的な『日本のおかしな教育』という部分にも、もっとフォーカスを当てるべきだと思います。

※他にも、こんな記事を書いています
「仕事と私、どっちを取るの?」への、 正しい答えかたは○○だと判明!
会話のネタに困らない!タモリ式会話術を身につけよう
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※このブログの著者プロフィール
渡辺龍太 (放送作家 会話と文章の専門家)
ブログ:http://kaiwaup.com
Twitter: https://twitter.com/wr_ryota

著書:『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』(ダイヤモンド社)

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渡辺 龍太
ニュースや情報番組などを中心に活動する放送作家

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