ミレニアル世代が主導、果物輸入額トップに異変

2018年06月28日 06:00

北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の協議が、暗礁に乗り上げている。トランプ政権はカナダやメキシコにまで鉄鋼・アルミ関税を発動、米国を発火点とした貿易摩擦は激化の様相を呈するなか、NAFTA再交渉の行方を固唾を呑んで見守る人々も数多く存在することだろう。

ミレニアル世代(概して1980~2000年に生まれ)も、NAFTA再交渉と無縁ではない。スマートフォンやソーシャルネットワーク(SNS)の発展と共に成長してきた彼らは、FOMO=Fear Of Missing OutYOLO=You Only Live Onceという言葉通り流行やトレンドに「乗り遅れることを嫌い「今を楽しむ」生活を重視する。SNSの普及に合わせインスタ映えを意識する若い世代の間では、出費もかさみがちだ。

NBC/ジェンフォワードの調査では、ミレニアル世代の4人に3人が債務を背負う状況。さらに、同世代の3人に1人は債務負担を理由に結婚や住宅購入など、人生設計を先送りしていると回答していた。

そんなミレニアル世代の支出傾向を戒める言葉に「家を買いたいなら、アボカド・トーストを諦めれば良い」というものがある。ミレニアル世代は子供の頃からスーパーボウルなど、スポーツ観戦にチップスと一緒にアボカドで作ったメキシコ料理でディップの一種グワカモレを味わうなど長らく親しんできたせいか、アボカドを好みやすい。20種類のビタミンとミネラルを含むとあって健康志向の若者の胃袋をつかみ、且つ見映えも抜群な「果物の王様」の代表料理こそ、アボカド・トーストだ。

支払いアプリのスクエアによれば、アボカド・トーストの1ヵ月当たり売上高はミレニアル世代が牽引し、2014年の1.7万ドルから直近では90万ドルに達している。1個当たりの全米平均6.78ドルは(約750円)だが、NYなどの都市では18ドル超えも確認され、同世代間の食費を押し上げてきた。 ミレニアル世代のアボカド人気は、思わぬ副産物をもたらした。米国の果物輸入額上位に異変が生じ、2017年はアボカドが前年比46.4%増の27.3億ドルと、常連トップのバナナ(25.3億ドル)を抜き去り初めて頂点に立った。2013年からみるとアボカド輸入額は138.9%も急増、量ベースでも過去4年間で57.4%増の90万トンに及ぶ。

アボカドの輸入額。

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(作成:My Big Apple NY)

米国にとってアボカドの輸入先と言えばメキシコで23.9億ドルと、米国の輸入全体の87%を担う。従って仮にNAFTA再交渉が決裂し、現在ゼロのアボカドに関税が賦課されれば、ミレニアル世代の財布を直撃すること必至だ。アボカド好きのミレニアル世代にとって、NAFTA再交渉は身近な問題となりうる。いずれにしても、全米人口の約4分の1を占める同世代の消費動向は米国の輸入品目に影響を与えかねず、彼らが作るトレンドに熱い視線が注がれよう。

(カバー写真:Marco Verch/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年6月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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