日本代表を決勝トーナメントに導いたドカベン的思考 --- 勝沼 悠

2018年07月01日 06:00

サッカー日本代表が一次リーグ突破を決めましたが、最後のポーランド戦では1点差で負けたままを維持する作戦が賛否両論を呼びました。奇しくもこの日、日本では46年連載が続いた不朽の野球漫画『ドカベン』が連載を終了した日でした。今回のポーランド戦の最後のパス回しで私が真っ先に連想したのはこのドカベンでした。

ドカベンは山田や岩鬼といった魅力的なキャラクターが豪快に真っ向勝負をする野球漫画でもありますが、一方で山田は4番バッターでありながら必要があれば躊躇なくバントするチームプレイヤーでもありました。

ブーイングを受ける山田を見て、試合を観戦してるライバル達が「ブーイングしてる奴らは負けた時にあのバントの重みが分かるんだよ」と語り合うシーンまであったはずです。暴虐無人に見える岩鬼も、チームを優先し何度も送りバントをしています。

さらに、ドカベンは奇想天外な作戦やアクシデントをふんだんに盛り込んで野球の面白さ、可能性を追求した漫画でもありました。山田が敬遠されない為にノーアウト満塁で2番、3番バッターにあえて三振させるという土井垣采配もありました。ルールの盲点をついたフライゲッツーによる1点が現実の高校野球で起きた時はニュースになりました。

同時刻開催の試合結果を予想し、1点差負けを維持するという作戦は消極的なものに見えたかもしれません。しかし、奇想天外な作戦を練る知力、自分を殺しブーイングを受けても作戦を遂行する精神力はまさにドカベン野球そのものです。

普段は教育関係の記事を書いてますが、やはり名作漫画というのは優れた心の教科書ではないかと思います。水島新司先生、46年間素敵な漫画をありがとうございました。

勝沼 悠  専門健康心理士
桜美林大学大学院修了後、15年に渡りスクールカウンセラー、教育相談員など、教育現場や医療現場で心理職として働いています。

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