エネルギー基本計画2018における石炭の位置づけの真実

2018年07月04日 06:00

昨日(7月3日)、エネルギー基本計画が閣議決定されました。

今回のエネルギー基本計画の党内議論で、私の方から石炭発電の位置づけに関しての懸念を申し上げたのは先日ここに書かせていただいた通りです。その中で、今回の計画に関しては、2030年26%の数値目標自体は、全体の見直しを行わない中で維持となりましたが、一方で、私の党の会議での指摘を含む最終版の調整で、かなりの修正が行われたことは、日本の長期的なエネルギー戦略の観点から、非常に有意義だったと思います。

資源に恵まれない日本が、世界の中で勝ち残っていくためには、エネルギー戦略は極めて重要です。その中で気候変動問題、経済性、安全保障、安全性などを考慮する中で、3E+Sというのが日本のエネルギー戦略の基本戦略となっています。その中で、将来的には可能な限り早期に洋上風力や地熱といった再生可能エネルギーを柱にする一方で、過渡的に、温室効果ガスの排出削減の意味から安全性に最大限の対策をしたうえでの原子力エネルギー、そして、変動する再生可能エネルギーの性質から電源調整を考えて化石エネルギーをある程度の期間はやむを得ず柱に位置付けるというのが、大きな方向性です。

その中で、化石燃料、特に石炭については、パリ協定、あるいは金融面からのESGやTCFD、座礁資産の議論が直接金融、間接金融問わずイギリスやヨーロッパ、最近ではアメリカを中心に急速に焦点化しています。世界的なトレンドとして将来の法的措置を見据え、石炭発電そのものを経済的なリスクと捉える流れが固まりつつあります。それを受けて、国内でも石炭発電の計画が撤回されたり、金融機関もSMBCのように融資を禁止するなど、民間中心に動きがみられてきています。

本来、民間の投資リスクを過度に負わせないために、外部リスクの先の変化を見据えた計画を示すのが政府の役割であるというのが、私の一貫した主張で、そのために、今回の党内議論においても石炭発電の位置づけの見直しに関して一人で論陣を張ったところです。結果として、党の会議の場でもその意見を踏まえて議論するようにとの流れに最終的になったために、今回の最終案においては当初案よりも石炭発電の今後の見直しに向け踏み込んだ内容となったことは率直に評価したいと思います。

石炭が経済性に優れているとの評価を、あくまで「現状において」と明記することで今後変化しうるとの認識を明確にしたこと、今後、「再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、適切に出力調整を行う必要が高まると見込まれる」「よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトに取り組む」と明記することで、化石燃料の中で最も環境負荷の高い石炭に偏った現状の是正や非効率石炭を順次廃止していく方針を明確にしたこと、は前回のエネルギー基本計画と比べれば非常に大きな進歩です。

今後、世界の動向を注視しつつ、日本のエネルギー戦略が世界の流れに取り残され、高いリスクを日本と日本の民間企業が背負い込まないよう、しっかりと注視していきたいと思いますし、次回のエネルギー基本計画策定時には、より具体的な将来の姿を明示できるよう引き続き努力していきたいと思います。


編集部より:この記事は、自由民主党青年局長、衆議院議員の鈴木馨祐氏(神奈川7区)のブログ2018年7月3日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「政治家  鈴木けいすけの国政日々雑感」をご覧ください。

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鈴木 馨祐
衆議院議員(神奈川7区)、自民党青年局長

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