尊師マーチと、平成は終わるのか

2018年07月07日 11:30

15歳の頃からずっと頭にこびりついている曲がある。麻原彰晃が選挙に出た時に聴いた「尊師マーチ」だ。その頃からずっと、風呂に入っている時に自然に口ずさんでしまう。オウム真理教だと知らず、買いそうになったPC、マハポーシャの歌だってそうだ。

どれも不謹慎きわまりないのだけど、耳にこびりついているのだからしょうがない。さすがに家を出たら歌わないのだが、家では自然に出そうになる。それくらいインパクトが強烈だった。

ただ、地下鉄サリン事件のインパクトはあの歌以上だった。言うまでもなく。正直、オウム真理教については、様々な事件の疑いが持たれていても、強い関心がない者からすると、「怪しげな新興宗教の集団」でしかなかった。麻原彰晃はじめ、事件関係者逮捕後、教団と犯行計画の全貌が明らかになり、驚愕した。

麻原彰晃を含め、オウム真理教関係者で死刑が宣告されていた者のうち、7人に刑が執行された。午前中はずっと講義だったのだが、時計代わりに使っているスマホのポップアップで刻一刻と状況が入る。7人同時の執行は異例中の異例だ。

なんというか、一市民の感覚として平成が終わったような気分になった。しかし、この平成が終わった感覚が作られたものだとしたらどうだろう。

今朝の毎日新聞が死刑執行の経緯をまとめている。
検証:死刑執行、平成のうちに 改元契機「オウム総括」 – 毎日新聞

もちろん、オウム真理教に関連しては2011年の時点で裁判が一度終わっている。その後、平田容疑者が自首したこともあり、裁判が行われたが、それも終了している。この毎日の報道は、死刑執行のXデーがどのように考えられ、実行されていったかを知る上で興味深い。

死刑の是非、異例の7人同時執行、報じ方など、論点は山積しているし、因数分解して考えなくてはならない。ただ、一瞬、平成が終わったように感じたが私は14歳から45歳(来年の4月で)までこの時代を生きているわけで。この奇妙な時代はまだまだ総括しきれない。オウム事件は平成を代表し、象徴する事件だったと改めて実感するとともに、別に専門家ではないけれど、あの前後の空気感は語り継いでいかなければならない。

そして、今日も頭の中の「尊師マーチ」はむしろ大きく響いている。いつになったらこの歌から解放されるのだろう。娘の前で歌いそうで怖い。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年7月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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