人材育成の得意な政党は、どこかしら

候補者男女均等法なる法律が出来たが、さて、それぞれの政党ではどんな取り組みをされておられるのだろうか。仏は作ったが魂は入れず、で、ただのお飾りになっているような気がしないでもない。

自民党は殆どの選挙区で候補者が事実上決まっているだろうから、候補者を出来るだけ男女同数にしよう、などと言っても、現場から反発を食ってしまい、女性の候補者を優先的に擁立しようなどという動きにはならないはずである。

組織政党色が強い公明党や共産党はそれなりに女性の候補者を擁立出来るだろうが、社民党などは当選の可能性が殆どなさそうだから、女性の候補者の擁立には至らず、ということになりそうだ。

立憲民主党は共産党との選挙協力を前提に候補者選びをするはずだから、多分極めて政治色が強い一部の方々を除いて女性候補者の擁立は事実上難しいだろうと思う。

政治に挑戦しようとされている女性の方々は、無所属保守系で立候補するか国民民主党から立候補することを考えられた方がいいように思う。

現時点での国民民主党は如何にも非力のように映るだろうが、将来への伸びしろはたっぷりとある。

能力のある女性の受け皿としては、今の時点では国民民主党の方がよさそうである。
もっとも、国民民主党に人を育てる力がどれだけ備わっているか、については何とも言えない。

意欲は感じるが、まだ人を育てることが出来るだけの態勢が整っていないようである。
他の政党よりはちょっぴりましかな、というところか。

自民党は、結構人を育てる仕組みを持っている。

政調会の各部会に出て、真面目に仕事をしていれば、段々に実力が付くようになっている。
政権政党のいいところは、ここにある。

多分、野党の方々はそのあたりのことがお分かりにならないはずだ。

野党にいると、反対、反対のアピールをすることには巧みになるだろうが、国民の大方が納得できるような政策を作り上げることがどうしても疎かになる。

自分たちの考えを党の政策に落とし込み、法律の形でこれを実現し、かつ予算を付ける、という醍醐味は、反対、反対の声しか上げられない野党の国会議員にはとても味わえないものだ。

対決はするが、解決も決して疎かにしない、という国民民主党や、是々非々の維新は、多少の醍醐味を味わうことが出来るだろうが、自民党の政調の部会で施策作りに日々奔走している自民党の真面目な議員が味わう醍醐味と比較すれば、格段の差があるはずだ。

そういう諸々のことを理解されたうえで、志のある方々はご自分の進むべき道を探られたらいい。

人育てに関心がなさそうな政党は、避けるべし。

現時点での私のアドバイスである。

ノルマだらけでは、いい人は集まらないはず

党員を100名集めるのが、来年の統一地方選挙で自民党の公認を得るためのノルマだそうだ。

選挙を組織強化の一つの手段として考えておられる方々にとっては何でもないことなのかも知れないが、このノルマは結構きつい。

自分の思い通りに動く従業員を多数抱えている経営者か、運動部等結束の高い団体に所属している人でないとなかなか100人もの新規党員を集めてくることは出来ない。

名前だけ借りて党費は候補者が立て替えてもいい、というくらいの運用にするのかな、と思うが、普通の人はこういう煩わしいことからは逃げたくなるはずだ。

今の自民党は、有為な人材獲得という観点から見れば、無党派層の取り込みには成功しないだろう。
如何せん、ノルマがきつ過ぎる。

党員を100人集めてくる力がある人が、本当にいい候補者なのかどうか。

来年の統一地方選挙が見ものではある。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年7月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。