空自次期戦闘機、高いか安いか?

2018年07月18日 06:00

F22戦闘機(Wikipediaより:編集部)

F2戦闘機後継「高すぎる」国際共同開発に暗雲

後継候補は、〈1〉米空軍のF22戦闘機の機体をベースに、F35の電子機器を搭載した高性能ステルス機とするロッキード案〈2〉空自の主力戦闘機F15の技術を活用した米ボーイング社案〈3〉英空軍の主力戦闘機「タイフーン」の技術を活用する英BAEシステムズ社案――の3案が浮上している。いずれも日本との共同開発が前提だ。

3案では、ステルス性や飛行性能などでロッキード案が抜きんでており、防衛省は情報収集段階から本命視してきた。だが、13日にロッキードが示した正式な提案では、1機あたりの価格が200億円超で、150億円とみていた防衛省の予測や空自が導入したF35の価格(約131億円)を大きく上回る結果となった。

へー、たった1.33倍じゃないですか。空自が採用したUH-60J改は23.75億円で調達できるとして採用したのに、50億円と2倍ですよ。1.4倍以下で高いなんてご冗談でしょう、と嫌みの一つも言いたくなります。あれは組織ぐるみの官製談合という犯罪ですよ。
まあ、嫌みはこのくらいとしておきましょう。

問題は、開発費がどうなるのだ、その分担比率はどうなのだ、更にはメンテナンスコストがどうなるのか、というところです。平たく言えばライフサイクルはどうなのだということです。

更に申せば米国との共同開発になればFMSとなるでしょうから、パーツやコンポーネントを発注しても届かない、コストの交渉がしにくいということになるでしょう。

F-2の時も散々米国に煮え湯を飲まされたのに懲りない人たちです。
ぼくはFMSが必要無く、整備のフットプリントも小さい欧州との共同開発が宜しいと思います。
それはまた、米国にお宅の属国にはならないよ、というメッセージを送ることになります。

ファンボローでBAEシステムズが新型戦闘機のテンペストのコンセプトを発表しましたが、英国あるいはスウェーデンあたりと組むのが宜しいのではないでしょうか。エンジンの開発なんぞは諦め欧州製エンジンを採用し、その生産分担をとるぐらいでいいのではないでしょうか。

また自主開発基盤の維持を図るならば、戦闘機は諦めて練習機を狙うのも手でしょう。開発費は随分と安くなります。

そもそもでいえば、FXの時にユーロファイターを採用してライセンス生産にしておけば、生産基盤は維持できたし、またその改良を行えば、様々な自前の技術も開発できました。例えばレーダーや、コンフォーマルタンクなどです。
独自の仕様に発展する措置は十分にあり、それは新戦闘機開発にも繋がったはずです。

そしてF-2の後継としてF-35BあるいはAを2個飛行隊程度輸入すればよかった。そして20年ぐらい先を見越して、まずは練習機を共同開発し、そして戦闘機の共同開発をするならば随分と筋のいい話となったでしょう。

ところが散々FX調達を遅らせて、F-35Aを選択しました。このため生産基盤は失われ、しかも組み立てだけ国内にしたので単に調達単価を上げただけでした。頭がおかしいのではないかと言われても仕方がないでしょう。

■本日の市ヶ谷の噂■
水陸両用機動団では私物使用が禁止されるも、完品クズからと隊員が私物を使い始めてなし崩しで私物使用がOKになったとの噂。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2018年7月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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