サッカーW杯閉幕:国歌を聴き比べてみたけど…

2018年07月18日 11:30

1カ月に及ぶサッカーのワールドカップ・ロシア大会はフランスの優勝で幕を閉じました。

日本は予選リーグを突破してベスト16、今回は前評判が決して高かったわけではありませんが、次回、4年後のカタール大会は期待できそうです。

2002(平成14)年ワールドカップの決勝地は横浜でした。
その時、FIFA(国際サッカー連盟、Fédération Internationale de Football Association)のブラッター会長から
「市長ありがとう」
「君と僕は友人だ」
と個人的にもらったのがこのレプリカトロフィーです。
2002年はブラジルが、そして今回はフランスが頭上に掲げました。

ところで、優勝国フランスの国歌が過激だと話題になっていました。
Wikipediaから引用してみると

(1番)
行こう 祖国の子らよ
栄光の日が来た!
我らに向かって 暴君の
血まみれの旗が 掲げられた
血まみれの旗が 掲げられた
聞こえるか 戦場の
残忍な敵兵の咆哮を?
奴らは汝らの元に来て
汝らの子と妻の 喉を搔き切る!
(ルフラン)
武器を取れ 市民らよ
隊列を組め
進もう 進もう!
汚れた血が
我らの畑の畝を満たすまで!

まるで軍歌です。
もともとは1792(寛政4)年のフランス革命時に作られ、現在まで歌い継がれた歌です。

他の国歌もわりと過激です。

アメリカは
「夜通し砲弾が飛び交った後に」
「我らの星条旗が翻っている」

中国は
「立て、奴隷となるな」
「血と肉をもって築かん」

イギリスは
「敵を蹴散らし降伏させたまえ」

といわば敵から自国を守るような歌になっています。

これに比べて日本の国歌『君が代』は本当に平和な歌詞です。
もとは延喜5年(905)、醍醐天皇の時代の『古今和歌集』の和歌が引用されています。

我が君は 千代にやちよに さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで

ほとんど今の君が代の歌詞と同じで、この「我が君」は”敬愛する人”を指しています。
一家の主である父親や母親、兄弟、恋人、そして天皇も含めて広い意味での”あなた”です。

横浜港開港後の明治26(1893)年、世界の国と交流するようになって必要になったことから文部省(当時)が告示して実質的な国歌になりました。
明治政府は”尊皇・倒幕”でできましたからこの時代の”君”は天皇を指していたと思いますが、戦後に主権在民の時代となりましたので、今はもともとの古今和歌集のように広い意味でのあなたということを理解して歌いたいものです。

さて、国歌にはさざれ石が出てきます。
私の事務所にもあります。

さざれ石

石灰岩が雨で溶けて小石を結着させてできるもので、君が代で小さな石が「千代に八千代に」すなわち長い年月をかけて大きな石になっていくことの意味するところは日本の協調・発展です。

歌う時の息継ぎは「さざれ」「石」ではなくて、「さざれ石の」の後にしましょう。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2018年7月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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