スマホ全盛期の今こそ、ネット上にシグナルを作れ

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

恋人や大親友、家族を除き、世の中のほとんどの人はあなたの魅力や強み、弱みをまったく知りません。特に起業したばかりの知名度のないフリーランスや会社は初期段階で売上をあげていくのはかなり難しいのです。

「新しくブログを始めた!」

「こんな新サービスを開始した!」

そのように頑張って主張しても、大金をかけて広告宣伝を打ちまくるなどをしない限り、多くの人へその事実を届けることはとても難しいのです。そして多くの場合、駆け出しビジネスの段階で多くの広告宣伝費をかけることは現実的ではありません。

ではどうすれば、自分のビジネスを認知してもらうことができるのか?その答えは「武器となるシグナルを持て」というものです。

詳しくお話をしたいと思います。

人は自分が興味のある対象しか見えない

就職や転職をする時は、学歴やキャリアがフィルターになることは誰でも知っていることです。採用する企業側はハッキリとそのことを言いませんが、「学歴フィルター」「キャリアのフィルター」は事実として存在するのです。

今年の春、Twitterで話題になった話があります。企業説明会の申し込みをする際に在籍する大学名を選ぶ際に、一流大学名を選択すると空席ありで「予約受付中」と表示されるのに、三流大学名を選択すると「全日満席」と出てくるのです。

今回はその大学名を出すことはしませんが、あまりにも露骨すぎるフィルタリングですよね?どの大学にも優秀な学生はいますし、難関大学にも仕事ができない学生はいます。実際に採用試験と面接をしてみないと分かりません。でも三流大学の学生は挑戦権がまったく与えられることがないのです。

おかしいですよね?憤りを感じるじゃないですか。「人事担当者はちゃんと一人ひとりの学生に向き合ってチャンスを与えるべきだ!!」とそう言いたくなってしまいます。この企業にとっては「うちの会社は一流大学の応募者しか興味がない。それ以下の大学は応募してこないで結構」と言っているようなものなのです。

企業も人も、自分が関心のある人しか見えません。では相手の関心を引くにはどうしたらよいのか?という話になりますよね?その答えは「武器となるシグナルを手に入れなさい」というものです。

武器となるシグナルを手に入れよ

経済学者の野口悠紀雄さんは著書の中で、「グローバル化が進んだ大競争時代においては、シグナルとなる武器を手に入れよ」と提唱されています。これについては私もまったくの同意見を持っています。

シグナルというのは、相手が一目置くスキルや経験、知識、能力などを指します。例えば「東大卒」という学歴はあまりにも分かりやすいシグナルです。これさえあれば、グダグダ主張をすることなく、多くの相手は勝手に優秀であると思ってくれるので、就活の場で他の人より有利に戦うことが出来ます。

他にもいくらでも例はあります。例えばTOEICスコアなどもそうですね。私はTOEICのスコアが外資系企業の転職活動にものすごく有利に働くのを感じました。面接で実際の英語力を見せていないのに、「あなたはTOEICの点数が高いからぜひうちで戦力になってもらいたい」と採用のオファーを頂けるところもありましたので、TOEICの力を実感したものです。強力なシグナルがあることで、初めて相手から関心を得ることが出来るのです。

上述した一流大学と三流大学の説明会の実例、人気企業にとってこうしたフィルタリングはあまりにも当たり前にやっていることですから、「人気企業に行きたければ高学歴というシグナルを得なさい」というのは、もはや世の中のルールのようなものです。

ですから「オレは三流大学卒だけれども、東大卒のガリ勉野郎なんかより仕事が出来るんだ!」と誰にも聞いてもらえない主張をするよりも、一流大学卒にしか興味がない企業が思わず振り向いてしまうような難関資格を取得したり、MBAを取るといった「一流大学卒」以外のシグナルの獲得をすることで注目をしてもらうことが出来るのです。

シグナルとは初対面の相手にわずか数秒間で自分を信用させる力を持っています。私は工業高校を卒業した後、ニートとフリーターをしていました。当時、初対面の相手に自己紹介をしても、まったく興味を持ってもらうことはありませんでした。でも、ひとたび丸の内ビルの中に入っている企業で正社員になった途端、周囲の見る目が変わりました。勤務先を問われて答えると、「エリートだ!」「どんな仕事をやっているの??」と関心を持たれる体験をしました。つくづく、人は相手を見る時シグナルでしか判断しないものだと感じます。

ちなみに会社員を辞めた今の私にとっては、大手メディアで記事を書いたり、メディア掲載実績がシグナルになっています。「テレビやラジオ、ビジネス雑誌、ネットニュースなどで取り上げられた」と伝えることで、それ以上ペラペラと多くを語らずとも、相手は私をフルーツのビジネスの第一人者と見てくれます。この日本社会では世の中はシグナルを手に入れた人が有利になるのです。

「しっかりと中身をちゃんと見てほしい」というのが本音ではありますが、人はシグナルから相手を見る、この事実を受け止めなければいけません。シグナルがなければ何も始まりませんから、自分の魅力や強みを「見える化」することが重要と考えてとにかく武器になるシグナルを手に入れることです。

情報発信はシグナルを作ることになる

難関資格や一流大学卒に負けない、強力なシグナルの作り方があります。それは「ネットで情報発信をする」ということです。

あなたが今からハーバードのMBAを取得するなど強力なシグナルを手に入れるのは、時間的にも金銭的にも大きな負担があるかと思います。ですが自分の専門分野やキャリア、経験に基づく情報発信をすることで、手軽でお金もかけずにシグナルを作ることが出来ます。

私の知人に経営コンサルタントをやっている社長がいます。彼はこれまでのキャリアやノウハウを、YouTubeやブログで配信するという情報発信をしていました。彼の優れたビジネスノウハウがテレビ局の目に留まり、その結果日本人であれば知らない人は誰もいない超大物起業家と一緒にテレビ番組に出演するという実績を果たしました。このように情報発信をしたことが「この人は一流のビジネスマンだ」というシグナルになったことで、テレビ局からお声がかかったわけです。

対面で名刺を配って回る「白兵戦」では、じっくりと相手の力量を確かめる時間的制約がどうしてもあります。しかし、ネット上で情報発信をして自分を見える化することが、今の時代はじっくりと自分を知ってもらうツールになります。

なんでもすぐにスマホで調べるスマホ全盛期を生きる私達は、ますますネットによる情報発信をするという「シグナル」の重要性を増しています。従来は学歴、キャリアだけでしたが最近はそのバリエーションも増えています。武器となるシグナルを持つ、という思考を持つことが何より重要なのです。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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