再審請求の有無で死刑執行の判断を変えるべきでない

上川法相(法務省サイトより:編集部)

悩ましい問題であることは承知しているが、私は再審請求の有無で死刑確定受刑者に対する死刑執行についての是非の判断を変えるべきではないと思っている。

その意味で、上川陽子法務大臣は大したものだと評価している。

法務大臣は、このくらい峻厳でなければならない。

法務大臣に擬せられた人が個人的な心情を理由に死刑確定受刑者に対する死刑の執行を躊躇したら、法の正義よりも法務大臣個人の心情や都合が優先することになってしまう。

法務大臣は、死刑判決が確定した以上は、個人的な心情はともかく確定死刑判決に対して疑義を述べることも許されないのではないかしら、とさえ思っている。

上川陽子法務大臣は、あらゆる意味で優れた法務大臣である。

1か月に10数人もの確定死刑囚に死刑の執行を命じるということは、なかなか出来るものではないだろうと思う。上川陽子法務大臣は、さしづめ、熟慮に熟慮を重ねたうえで今回の死刑執行命令を発出された、ということだろう。

法務大臣という職責は、実に重い。
その重さを十分体得されているような上川陽子法務大臣の記者会見だったと思う。

死刑執行命令を出すことを躊躇されるような方は、迂闊に法務大臣をお引き受けにならない方がいい。
楽な仕事では、決してない。

どうやら上川陽子法務大臣は生涯、特別警護の対象者になるようである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年7月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。