「DVで離婚し泣いていた頃、すがる思いで登録した」ひとり親の方からの手紙

2018年07月31日 06:00

フローレンスの訪問型病児保育は子どもが病気の時、病児保育専門スタッフが駆けつけご自宅でお預かりするサービスです。

子どもの急病時、両親2人の家庭であればどちらかが仕事を休んで看病することもできますが、ひとり親家庭はそれができません。子どもの病気=死活問題となるひとり親家庭が、もっとも病児保育を必要としているのではないか?と考え、フローレンスは2008年7月からひとり親家庭の子育てと就労継続を支えることを目的に、病児保育の「ひとり親支援プラン」を始めました。

ひとり親家庭の親御さんが安心して働けるように、入会金無料・月会費1000円(税抜)の安価で、病児保育サービスを提供しています。

この仕組みを可能としているのは、のべ2000名を超える寄付者の皆さんによるご寄付です。安心して子育てにも仕事にも打ち込めることは、ひとり親家庭の親御さんを、経済的にだけではなく精神的にもサポートしています。

ひとり親支援事業10周年を記念して、ある利用会員さんからいただいた手記をお届けします。

4年前に離婚をしてひとり親になりました。

その時に、「ひとり親支援プラン」でフローレンスさんに登録し、とても助けてもらいました。

私はラッキーだったようで、離婚の前に社会福祉協議会に情報を教えてもらっていたので、離婚と同時に会員登録をしました。そのすぐ後にフローレンスが有名になり、会員登録をしたいけどできない人が多くいるという話を聞きました。

私は小さいながらも自分の事業があったのでまだ幸運でしたが、それでも離婚というものは本当に大変でした。

我が家の場合は夫から肉体的暴力と精神的暴力があり、働かない人でした。夫は子どもが1歳半の時に、家庭の放棄をし部屋に引きこもりました。

それをきっかけに私は子どもを連れて家を出て別居をしながら、調停を進めました。

1年かけて調停が終わりやっと離婚ができても、そんな夫ですから養育費も、もちろんありません。

ひとり親になり、仕事に費やせる時間が各段に減りました。収入を維持できるのかも不安でした。
さらに、私の子は熱が出やすい子でしたので、熱のある我が子を仕事場に連れていった事も何度かあります。

これから一人で頑張らなくてはいけない。でも本当に頑張れるんだろうか?

精神的暴力にあった後は、自信を失いがちになるそうですが、今思い返すと、私もそうでした。

「私のような人間に子どもが育てられるだろうか?」とにかく毎日不安でした。

家では子どもの前でボロボロ泣きながら、家事をしたりもしました。

わらにもすがる思いでフローレンスに登録したのは、まさにそんな心境のときでした。

提出書類が多く大変でしたが(※)、フローレンスさんがしっかり子どもと家庭を把握したい気持ちが伝わりました。

※編集注:現在はWEBからの入力と口座振替の申し込みのみで手続きが完了します

また、自治体のサービスは平日昼間に自分から窓口に行かなくては行けないことが多く負担でした。フローレンスは郵送だけで契約ができたので、助かりました。

実は登録して利用可能になった初日に、子どもが熱を出したのですが、「本当に大丈夫かな?」とその日はフローレンスを使いませんでした。

その数か月後また子どもの発熱があり、今度こそ!と勇気を出して利用したところあっけないほどにスムーズでした。しかも来てくれた方が心強く見守ってくれました。病気の子どもを置いて仕事に行く事に罪悪感があったのですが、不安が全くなく今までで一番安心して仕事に打ち込めました。

こんなことなら、この前もフローレンスを使えば良かった! と後悔しました。

それまでは、子どもに熱があるといつも中途半端に仕事を終えなくてはいけませんでした。誰かに謝りながら進めたり、後でトラブルが起きたりする事もしばしばでした。

でも集中して仕事に打ち込めれば、そんなこともありません。次の日の分の仕事もして翌日はゆっくり仕事を休んで自分が子どもの世話をすることもできました。

実母に頼めばいいじゃない?と言う人もいるかもしれませんが、私は実母と折り合いが悪く、頼む事が負担でした。

そんな中、フローレンスなら安心して頼む事ができたので、その点も心強かったです。

フローレンスから受けたサービスの中で一番うれしかったのが、サンタさんが家に来たことでした(※)。私は育った家庭にもあまり恵まれず、親と一緒にクリスマスや誕生会をしたことがありませんでした。

だから、自分の子どもが子どもらしい時間を持てた事、周りの大人が大事にしてくれた事が嬉しくてたまりませんでした。サンタさんが来たとき、私が泣いてしまいました。

※編集注:現在はサンタさんの訪問は行っておりません

子どもはいつしかフローレンスのこどもレスキュー隊員(訪問型病児保育専任スタッフ)さんが来るのを楽しみにしていて、毎月熱を出すようになってしまったのは誤算でしたが(笑)、子どもにとっても自宅での病児保育は負担ではないのだと知りました。

毎回利用ごとにアンケートがあり、本当はいつも感謝の気持ちを書きたかったのですが、仕事で忙しくまとまった文章が書けませんでした。

でも本当に心から感謝しています。

子どもも6歳になり小学校に入学しました。発熱も少しは減りました。短い時間なら留守番もしてくれるようになりました。

それになんといっても私の仕事が安定しました。これも仕事を失わずに続けられたからではないでしょうか。この4年間で収入も内容も安定し、余裕ができました。子どもの発熱に慌てずに済むようになりました。

今思えば、離婚直後は一番不安定な時期でした。その時期に経済的な心配をしないで済んだこと、精神的に支えてくれたことがどれだけ救いになったことでしょう。

そして、今期私の会社の売り上げが予想より良くなりました。

色々考えましたが、お世話になったフローレンスにささやかですが寄付する事にしました。

毎年はできないと思いますが、出来る時だけでもお手伝いさせてください。

これからも応援しています。

サンタさんの訪問の様子(手記のご家庭ではありません)

フローレンスのひとり親支援プランを卒業された利用会員さんからは、毎月こうした感謝の声が届きます。

子どもを育てるのは親だけではありません。

子どもが病気になってしまったが、どうしても仕事を休めない…そんな時に、周りからそっと手を差し伸べることができたら。

そんな想いで集まってくださったひとり親家庭を支援するサポート隊員さんは、現在、約1030名いらっしゃいます。

多くの親御さんが、この「ひとり親支援プラン」を利用することで、安心して仕事に向かうことができています。

また、フローレンスの病児保育スタッフは、子どもにとって、病気が辛いだけの思い出ではなく大切にされ楽しかった思い出になるように、と日々お子さんたちに向き合っています。

大変な状況を親子だけで抱え込むことがないように。どんな境遇の子どもも笑顔で暮らせる社会を実現するために。

ぜひ皆さんのお力を貸してください。

寄付でひとり親家庭を応援する!


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2018年7月30日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。

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駒崎 弘樹
認定NPO法人フローレンス代表理事

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