「パンプキンショック」はリーマンショックと何が違うか

2018年08月06日 14:00

「パンプキンショック」という言葉をご存知でしょうか。パンプキンとはかぼちゃのこと。あの不動産トラブルがきっかけでマーケットに広がるショックのことです。

今年に入ってから社会問題化した「かぼちゃの馬車」(写真)ブランドで展開されていたシェアハウス投資問題。物件価値の低い物件を高値で販売し、持続不可能な水準の30年家賃保証を付け、スルガ銀行のフルローン(頭金なしの全額融資)で購入してもらうというスキームです。

今年に入り保証していた家賃の支払いが停止し、運営会社は破たん。投資家はローンの返済ができなくなり、自己破産する人も出てきています。同時に、融資の審査における属性資料(年収や資産額の申告)の改ざんが問題になり、銀行の審査方法に対する批判も高まりました。

スルガ銀行は、地方の一棟もの物件に対する積極的な融資で知られましたが、この融資が一気に止まり、不動産融資に積極的だった他の地方銀行もこの流れに追随し始めました。

その結果、地方一棟ものの融資が出なくなり、取り扱い業者が苦境に陥っています。また、以前に融資を受けて購入した投資家は物件の売却が困難になり、投資の「出口」が見えなくなってしまいました。

これが「パンプキンショック」です。

今後、投資用地方不動産は価格が更に下落していくと想定します。フルローンの融資が付くという理由だけで、フリーレントや賃貸仲介業者へのキックバックなどで無理矢理に入居者を集め、満室にしていた物件が、本来のマーケット価格に戻っていくからです。割高な価格で購入された地方不動産には、これから大きな逆風が吹いてくると思います。

10年前のリーマンショックは、米国発で世界経済に大きな影響を与えました。大手投資銀行の想定外の破たんによって、金融機関同士の疑心暗鬼が広がり、流動性が低下。グローバルな金融市場にショックを与えたのです。

それに比べると、今回のパンプキンショックは、国内の不動産市場の中で地方の投資用物件という限定されたマーケットでの出来事です。

他のマーケットに波及する気配はありませんし、国内不動産でも東京の都心の物件にはまったく影響を与えていません。むしろ、都心の投資物件は価格の上昇さえ見られ、逆方向の動きになっています。

パンプキンショックは、日本で進んでいる「東京とそれ以外」という2極化の流れに拍車をかける要因の1つとしてこれから影響が広がっていくでしょう。地方一棟もの物件を「特殊なスキーム」で投資しているような個人投資家は、早めに対策を打っておいた方が良いと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年8月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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内藤 忍
資産デザイン研究所社長

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