東京医大・女性「差別」入試:やるべきは「区別」でしょ!

2018年08月09日 11:30

東京医科大学の女子減点問題は、8月7日に内部調査委員会が結果を公表して不正を認めました。

その手法は全受験生の点数に係数を掛けて一律に減点した後、女子や多浪生には加点を少なくしていました。

得点調整
全員0.8の係数をかける

属性に従い、次のように加点

 属性
加点
 現役、1浪、2浪の男子 20点
 3浪男子 10点
 女子、4浪男子 0点

すなわち有利だったのは男子で現役から二浪までということでした。

多浪生もこのような扱いになったのはその後の医師国家試験に受かりにくい傾向があったからのようですが、それにしても募集要項では平等ながら試験で不平等に扱うとはとんでもないことです。

女子についてはもうはっきり女性差別で、そんなに女子を入れたくないならば東京女子医科大学のようにこの際、東京医大をやめて東京「男子」医大にすると議論すればよかったのではないでしょうか。

といったところで実は当の女性医師からはこの件に理解を示す声が多いというNHK NEWS Webの記事を見ました。

女性医師の6割「東京医大の女子減点に理解」背景に無力感か

あるアンケートに女性医師103人が今回の東京医大の対応について以下の通り回答しています。

 合計 65%
 理解できる 18. 4%
 ある程度理解できる 46. 6%

その理由は

  • 納得はしないが理解はできる
  • 女子減点は不当だが、男性医師がいないと現場は回らない
  • 休日、深夜まで診療し、流産を繰り返した。周囲の理解や協力が得られず、もう無理だと感じている

などが挙げられていて、すなわち医療現場の現状からこれやむを得ないと考えている女性医師が多いということなんでしょう。

実は救急医療の現場で同様の話を実際に聞いたことがあります。
「はっきり言って男じゃないと務まらない」
というものでした。

昼夜を問わず真夜中だって患者は運ばれてきます。
力仕事で看護師がどんなにいても医師も一緒になって暴れる患者を押さえつけたり、叩かれたり、ぶちのめされたりしながら治療をしなければなりません。

薬物中毒の患者もいます。
あちこち患者が発生するたびに走り回っていて、妊娠したことにも気づいていない女性医師が流産することもあるでしょう。

「だから男性医師だけでいい」わけではもちろんありません。
これこそ働き方改革が必要です。

これから先はどんな分野でも女性の労働力が必要ですし、医療現場では女性疾患は女性医師が診療することも重要です。

医療現場全体は医師不足の診療科もあります。
そういうところに女性医師がローテーションを組めるようにして、救命救急のような過酷な現場は男性医師が担っていく。
男女「差」別ではなくて「区」別です。

こういう働き方改革を考えるべきでしょう。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2018年8月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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