「ストーリーの黄金律」は中学受験国語の「物語文」!

2018年08月24日 06:00

Himalayaの無料音声配信で、リスナーである中学受験生の母親からの相談が最近増えている。

夏休みということもあり、緊張感が高まっているからかもしれない。

音声でも説明したが、中学受験国語の「物語文」を解読するポイントは、「あるきっかけ」があり、それ以前の主人公(ら)の「心情」とそれ以後の「心情」を押さえることだ。
「あるきっかけ」により、「幼い心情」から「成長した心情」に変化するケースがとても多い。

実はこのパターン、ドン・キャンベルが提唱した「ストーリーの黄金律」を短縮したものだ。
「ストーリーの黄金律」は、以下のような流れだ。

1. 日常(主人公は日常で生活しながらもどこかで不満を感じている)
2. 分離(ある出来事が起こって主人公が日常から分離する)
3. 敗北(最初の敗北を喫する)
4. 試練(訓練などによって欠点を克服した主人公が敵に挑む)
5. 勝利(試練を経て勝利を手にする)
6. 帰還(成長した主人公が日常に戻る)

2の日常から分離する際、メンター(師や導き手)が登場するのが一般的だ。

これを短くしてしまうと、「日常からの分離」という「きっかけ」によって、主人公が成長する物語ということになる。

朝ドラの「あまちゃん」や、小学生によく勧められている「西の魔女が死んだ」などは、日常から離れた祖母の田舎という「非日常」を経験し、最後に主人公が成長するストーリーだ。
朝ドラの「ひよっこ」は、「非日常」が東京という都会に設定されている。

「鏡の国のアリス」「ブレイブストーリー」「ドラえもんとのび太の夢幻三剣士」などは、一種の異次元世界が「非日常」になっている。

これら「ストーリーの黄金律」では、「非日常での敗北や試練」を経て、主人公が成長するプロセスが描かれている。
中学受験の物語文は、この短縮版だと考えて差し支えない。
主人公(もしくはサブキャラ)が、「あるきっかけ」を境にして成長する物語だ。

ちなみに、今放映されている朝ドラ「半分青い」は、「ストーリーの黄金律」から外れてしまったのが残念だ。

NHK番組公式サイトより:編集部

主人公の鈴愛が、日常である岐阜県から非日常である東京に分離されたところまでは良かったが、黄金律で必須の「非日常での敗北や試練」が感じられない。
20代で漫画家として何冊も単行本を出せればたいそうな実績だし、その後の結婚や離婚も、単に流れに身を任せていたように感じられる。

大きな敵との戦いや「危機一髪ピンチパターン」はほとんど見られなかった。
さらに、帰還(と呼んでいいのかわからないが)したら、親のお金をアテにして飲食店を始めるという“ていたらく”(笑)だ。

漫画家として、20代で単行本を何冊も出すことができれば大成功だ。
それを「何もかなった」と言われたのでは、連載すら持てない漫画家たちは立つ瀬がない。

飲食店を開くのであれば、銀行から資金を借り入れ、(借金を返さねばならないという)緊張感を持って懸命に営業努力をすべきだ。
親の金で飲食店を開業した人たちを私は何人か知っているが、(私の知る限り)全員が失敗している。

素人の私がプロの脚本にケチを付けるのは、おそらく大いなる筋違いだろう。
しかし、ケチを付けながらもオンデマンドで毎日のように観てしまうのは…単純接触効果(頻繁に目にしていると好感を抱くという人間心理)なのだろうか?
週一の放送だったら、とうの昔に視聴を止めているはずだ。

ネット経由ではあるが、文句を言いながらも視聴率アップ(?)に貢献してしまっている(汗)。ケチをつけるところやツッコミどころを満載にしているのが脚本家の罠だとしたら、私はしっかりはまってしまったことになる。

恐るべし…北川女史。


編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。

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