明日の朝が来るのが怖いと思ってる人!今日は早く寝よう

2018年09月01日 11:30

画像は筆者撮影による

厚労省(自殺対策白書)によれば、15~39歳の死因第1位「自殺」である。先進国では日本のみで見られる現象であることから対策が急がれる。さらに、1年を通じてもっとも自殺者が多いのは、夏休みが終わる9月1日前後とされている。つまり、週明けのタイミングが危ない時期であるともいえる。

今回は、『“自分責め”をやめたいあなたへ傷ついているあなたへ贈る50のメッセージ』(みらいパブリッシング)を紹介したい。著者は、古谷ちずさん。17歳のときに摂食障害となり紆余曲折を経ながらも乗り越えていく。この本は、「自分責め」を“悪”として否定せず、肯定的に共生するためのメッセージ本である。

ダイエットがきっかけで摂食障害に

「あなたは自分のために、涙を流したことがありますか。人生でどのくらいありますか。あなたがあなたのために流した涙、それは愛のいちばん美しく純粋なかたちだと知っていましたか。その熱い抱擁を受け取り、抱きとめたことがありますか。わたしはあります」。本書は、古谷さんのこのようなメッセージから展開されていく。

「わたしは17歳の時、思春期に飛び立ちそこねて『摂食障害』になったのですが、その時のことは本当によく覚えています。きっかけはダイエット。かなり痩せたのですが、反動の過食とともにやって来たのはひどい抑うつでした。なんにも頑張れず、なんにもやる気にならない。身も心も活動停止したかのようでした。」(古谷さん)

「わたしが生まれたのは、広島県で江戸時代から続く医者の家系で、それは祖父の代まで続きました。その面影を残す、大手門のある田舎の家に、一卵性双生児の姉として生まれました。両親はともに中学校の教員で、父は数学、母は国語を教えていました。父は武士のような静かな雰囲気を持った人で(後に地方議員に)、母はそれとは対照的に情熱的な女性でした。双子だったので目立ちました。」(同)

古谷さんは、小学校の頃からピアノを習い将来は音大に行ってピアノに関わる生活をすると漠然と思っていた。両親の愛情を一身に受け恵まれた環境で育った。

「中学生の頃から、なにか自分を表現したかったのだと思います。自分を振り切るように、口紅を塗って学校へ行ったり、遅刻をしたりするようになりました。反抗して母とぶつかることも多くなりました。もともと痩せ型だったのが思春期になってだんだんふっくらしてきたことがなんとなく嫌でダイエットをすることにしました。」(古谷さん)

「おやつを我慢したり、ご飯を減らしたり、母の作るお弁当を半分しか食べなかったり、食べないダイエットを開始しました。痩せることはできましたが、禁欲的に食べないダイエットが続くわけもなく、ある日を境に食欲が暴走し始めました。」(同)

当時は摂食障害などの言葉がなかった。それが、古谷さんを苦しめることになる。精神的に不安な時期が続いたが音楽は辞めなかった。バンド活動などをしながら自分を取り戻す。その後、子供を授かり、39歳で音大に進学する。

子供が東大に進学した

さらに、古谷さんが音楽に勤しんでいたちょうどその頃、子息が東大の理工学部に合格する。書店を見渡せば「東大ブランド」の冠がつく書籍がなんと多いこと。

「よく『どうやったら子供を東大に行かせられるのか』と聞かれますが、わたしは決して教育ママではありませんでした。東大に入ったのは独自のユニークな発想力と超集中力、そして自身のマネジメント力の賜物です。口癖は『自分を知ること』でした。親として言えることがあるとすれば次のようなことでしょう。」(古谷さん)

「わたしは長男が1歳の頃、すでに『この子は天才、将来、東大に行くだろうな』と直観し、彼の可能性を信じていたことでしょうか。子供の頃から本当にユニークで、アイドリングと超集中のできる子でした。勉強しろと言うこともなく、塾に無理に通わせようとしたこともありません。子供の才能を信じていただけです。」(同)

親の過度な期待は子供の可能性を抑え込んでしまう。自分の道は自分で発見するしかないということになるのだろう。なお、古谷さんは、摂食障害になりながらも乗り越えて、いまは、ピアニスト、作曲家、ピアノ講師など、精力的に活動している。いま頑張っている人のリアルな姿勢は多くの人の共感を得るのではないか。

尾藤克之
コラムニスト

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尾藤 克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

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