障害者雇用水増し:この際「増す!」という役所は無いの?

2018年09月04日 11:30

行政の障害者雇用の水増し問題は「ハーっ?」と聞き返したくなるような事態となっています。

中央省庁など国の33の行政機関のうち昨年6月時点で27機関で3,460人を水増ししていたということですから、何と8割を超える国の機関が嘘をついていたということです。

障害者の法定雇用は従業員が45.5人以上の事業所に義務づけられていて、民間企業は雇用率で2.2%(今年3月末までは2.0%)、行政機関は昨2.5%(同2.3%)となっています。
中央省庁は昨年は水増し分を入れた雇用率が2.49%で、2.3%は上回っていると説明していましたが、水増し分を差し引くと1.19%と一気に半減、嘘も酷すぎる感じです。

主な行政機関のうち、障害者雇用が0%台の省庁は次のとおりだそうです。

主な行政機関
実際の雇用率(%)
内閣官房 0.31
総務省 0.76
法務省 0.80
公安調査庁 0.38
外務省 0.39
財務省 0.78
国税庁 0.67
文部科学省 0.57
経済産業省 0.81
特許庁 0.50
国土交通省 0.70
環境省 0.54
防衛装備庁 0.54


障害者雇用の旗振り役である厚生労働省は2.76%と何とか達成していました。

地方自治体の数字はまだ出揃っていません。
8月31日に厚生労働省は全国の地方自治体に9月末までに報告を求めたということですが、気になるのはやはり自分が責任者を務めた横浜市です。
8月22日の林市長の記者会見では2.5%の法定雇用率に対して2.41%とマイナス0.09%、843人雇用のところ30人が不足の状況でした。

民間企業は“罰金”、正確には「納付金」が徴収されます。
法定雇用率を下回る企業は不足する障害者数1人あたり月4〜5万円が義務づけられており、横浜市は0.09%と少なく感じられるかもしれませんがイコール30人ですからひと月あたり150万円が納めるべき額となります。

しかし行政には罰則がありません。
国民・市民の税金が原資ですから、行政はこういうことはあり得ない、必ず達成しているということが前提にあるのでしょう。
市長時代に法定雇用率をしっかりと上回っていたかどうかはまだわかりませんが、しかし疑ったことは正直、ありません。

麻生太郎・財務大臣は「解釈の仕方が違ってた」と弁明したそうですが、弁明よりも改める責任を果たすことが重要ではないでしょうか。
まさか行政の現場で水増しすなわち違法行為を行っていたとは疑ってもいないでしょうから、役所の体たらくを政治家が改めることにエネルギーを割くべきです。

私なら「これを機に、障害特性に合わせた働き方ができる職場をもっと増やして、障害者雇用を増やす」とします。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2018年9月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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