農水省が豊洲市場オープンを正式認可。ひび割れが報じられるも、都の説明に矛盾なし

音喜多 駿

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

昨日9月10日、会場予定日のちょうど一ヶ月前に、農水省から正式に豊洲市場会場オープンの認可が下りました。

豊洲市場 来月11日オープンへ 農水省が正式認可
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180910/k10011622571000.html

認可は下りないとの怪情報が盛んに流されていたものの、もちろんそんなことはなく、これにより豊洲市場オープンに向けた手続きはほぼすべて完了したことになります。

もとより法令水準を上回る安全対策がなされ、説明と実態が異なっていた「盛土問題」についても、再招集された専門家会議により安全が確認されました。

さらには99点を100点にする追加対策工事まで行われ、いわゆる「安心安全」面については盤石の体制が取られたと言えます。

農水省の認可が下りたこのタイミングで、科学的見地から安全面が担保されていることは知事および東京都も今一度強く発信し、いわゆる風評被害の払拭に努めてもらいたいと思いますし、私自身も尽力していきたいと思います。

一方で認可の下りた翌日となる今日、豊洲市場内に大きなひび割れが発見されたことが報じられ、夕方から都が記者会見・説明を行ったようです。

豊洲市場で10メートルのひび割れ 開業に影響なし
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180911/k10011625001000.html

こちらについては、私も複数の建築関係者や専門家に確認いたしました。

まず、沈下したのは建物そのものではなく周辺地盤で、盛土がなされている周囲が減圧沈下するのは自然のことです。

加えて、仮に建物が沈んでいたとしても、一般論として不同沈下(沈下による建物の傾き)は3/1000以下程度なら問題ないとされているそうです。

豊洲市場のように長手300メートル超級の建物であれば、極論で言えば、両端で90センチメートルまで高低差があっても建物を使用する上では問題ないということですね。

そもそも建物は沈むものなので(豊洲市場のように地下水を組み上げていれば尚更)、都が「想定内」と説明していることに矛盾はありません

そしてひび割れ・沈下報道に伴い、

「建物内に影響が出ている!」
「一部の扉が開かなくなったらしい!」

などの情報が一部で散見されましたが、そのように噂されている場所の近くに実際に入った事業者の方に話を伺ったところ、自分が見た限りではまったく問題なかったとの証言もありました。

以上の情報を総合すると、「開業に影響はない」とする東京都の説明は正しいと私は判断しています。

ただ、豊洲市場の安全性に事業者や世論がこれだけ敏感になっていることを考えると、想定された事態でありひび割れにも以前から気づいていたのであれば、指摘される前から十分な説明をしておくべきだったとも思います。

「情報公開」という点からは課題として残りましたので、この点はしっかりと私からも指摘し、改善を要望していく次第です。

豊洲市場ほどの大型施設になれば、これからも大小さまざまな不具合や懸念が出てくることが予想されます。

できる限り事前の対策を打ち、起こり得る事態を説明し、起きてしまった場合のスムーズな対応につなげていくことが重要です。

豊洲市場 周辺住民が東京都に要望書
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180912/k10011625561000.html

周辺地域からの要望も、風評被害対策を中心にしっかりと受け止めて対応していかなければなりません。

一ヶ月後には豊洲市場が開設されるという大前提の元、少しでもその行程がスムーズに進むよう、議会からもチェックと提言を続けて参ります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年9月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。