トランプ一家の名前が不人気な、“隠れた理由”とは

2018年09月27日 06:00

トランプ大統領が矢継ぎ早に打ち出した太陽光パネル・洗濯機、鉄鋼・アルミの輸入制限、知的財産権侵害を理由とした対中関税賦課など保護主義的な通商政策は、メディアが貿易戦争の開戦を伝えるに十分なインパクトを与えました。本人は選挙公約を忠実に履行しているだけなのでしょうが、米国だけでなく世界中に不確実性をもたらしています。

そのせいか、トランプ氏の不人気ぶりがこんなところで現れてしまいました。名付け支援サイトであるベビーセンターの独自集計によれば、年初来の名前人気ランキングで“ドナルド”は789位と、トランプ氏が大統領選出馬を発表する前の2014年の488位から急降下していたのです。

“ドナルド”だけでは、ありません。例えば妻の名前“メラニア”は、人気ランキングで2014年の2,354位から2018年に3,414位と著しく落ち込み、長女イバンカの夫の名前“ジャレッド”も2014年の296位から455位へ大幅ダウン。次男の“エリック”も、2014年の123位から188位へ転落しています。例外は長女の“イバンカ”と三男の“バロン”で、前者は2014年の3,672位から2018年は1,806位、後者は2014年の2,001位から2018年には1,797位と上昇していました。

トランプ一家の名前が不人気なのは、別の理由が隠れています。少なくとも米国では、“テイラー”、“ハーパー”、“エンジェル”などの名前が普及しつつあるのですよ。これらの名前の共通点はズバリ、“性別不問”。特に“テイラー”は、その典型例と言えます。米国の社会保障局によれば、男性名としての“テイラー”は1980年代に1万9,414人存在し、147位でした。ところが、突如として1990年代に女性名の“テイラー”が16万9,013人に達し9位にランクイン、男性名の65位(5万8,393人)をあっさり抜いてしまったのです。1989年の歌姫テイラー・スウィフトといい、母親がデュラン・デュランのファンだったのでしょうか。

テイラー、同名の彼氏がいたこともありましたっけ。

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(出所:Penn State/Flickr)

“ハーパー”も男性名として使用されがちだったところ、2010〜16年に5万3,386人で初登場19位を飾り、元プロサッカー選手であるデビッド・ベッカムの長女の名前で知られています。その他、男性名前としての“エンジェル”は2010〜16年に4万7,571万人で62位に入りました。しかし、こちらの歴史は意外に古く上位200に食い込んだのは1980年代が最初で1万5,791人の169位です。

なぜ性別不問の名前が浸透してきたのでしょうか?多様化が背景にあり、例えば米国では2015年6月に同性婚が合憲と認められ、性同一性障害などへの配慮も進んできました。NY市では、身体ではなく心の性別でトイレを選択することが法律で認められています。

あるニューヨーカーの夫婦は自分の娘に、その音の響きを好んだだけでなく「性別にこだわらず、自分らしく生きて欲しい」との願いを込めて スカイラーと名付けました。誰が大統領に就任しようと、多様化を望む人々の考え方を変えられそうにありません。

(カバー写真:David Precious/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年9月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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