沖縄知事選の両候補は取り巻きの思惑に左右されずにいられるか

玉城デニーさんは沖縄の象徴的存在ではある

遊説中に女性有権者の記念撮影の求めに応じる玉城氏

玉城デニーさんが父親の顔を知らない、会ったことがない、という話を聞いてびっくりしてしまった。

そういう人が衆議院議員を何期か務め、今度は沖縄県知事選挙に立候補されている。
そうなるためには大変な苦労をされたのだろうな、と思うと、玉城デニーさんのような方にはしっかりと頑張っていただきたい、という思いが募ってくる。

玉城デニー氏をここまで育てて来られたお母さまがさぞかし立派な方なんだろうと思っている。

沖縄ではそう珍しいことではなかったのかも知れないが、混血の子を母親一人の手で育て上げるということについてはそれなりにハンデがあったはずである。偏見の目で見られるという経験もされているはずである。

これだけのハンデを背負いながら、衆議院議員に選ばれ、遂には沖縄県知事選挙の候補者に選ばれたというのだから、相当の資質の持ち主だと言っていい。

個人的には、文句なしに玉城デニー氏を応援したくなる。
様々なフェイクニュースが飛び交っているようだが、そういうフェイクニュースに足を引っ張られませんように、と願っている。

玉城デニー氏は、まさに戦後の沖縄の歴史を自分の一身に背負っておられるようだ。
うん、沖縄がどういうところか、ということが、玉城氏のこれまでの歩みを見て分かるはずだ。

複雑な沖縄を象徴するのが、玉城デニー氏。
玉城デニー氏ご自身も相当複雑な思いを持っておられるはずである。

なるほど、沖縄の方々が玉城デニー氏に何となく心を惹かれるのはそういうことか。

何となく、理解したような気になった。

もっとも、沖縄のこれからのことをあれこれ考えると、今の段階で沖縄県の知事に玉城デニー氏が最もふさわしいかどうかは別の問題になるのだが…。

取り巻きの人たちの政治的思惑に左右されない強い立場に立つことが出来るのかしら

玉城、佐喜真両候補SNSより:編集部

玉城さんも佐喜眞さんもそれぞれに魅力的な人である。

一人しか選べない選挙なので、どちらかが当選し、もう一人の方が落選することになるのだが、候補者の人となりが分かってくると、お二人がそれぞれにご自分の力なり持ち味を存分に発揮できる立場になっていただくのがいいんだがな、と思わざるを得ない。

いい人が当選するとは限らないのが選挙の常なのだが、私が見る限りお二人ともいい人である。

応援団がそれぞれについており、しかも普天間基地移設・辺野古基地建設問題という政治的に大きなイシューを抱えているために互いに敵対せざるを得ないのだが、沖縄の将来のためには、いずれは立場が違うお二人が手を結べるような環境を整えるのが望ましい。

問題は、応援団の存在である。
ご本人はそれぞれにいい人なのだが、さて応援団の方々の政治的思惑に振り回されてご自分のいいところを封じ込めなければならないという窮屈な立場に追い込まれてしまうのではないか。

玉城さんにしろ佐喜眞さんにしろ、ご自分の思い通りに動けるような強い立場になれるのかしら。

何にしても、いよいよ30日には投票である。

沖縄にとっていい道が開けますように。

そう、祈るだけである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年9月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。