目標を実現する「G-PDCA」サイクルの確立とは

2018年10月18日 06:00

PDCAサイクルとは、生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法のひとつ。皆さんの中にもこの手法を聞いたことがある、または仕事で実践したことがあるという方が多いのではないか。しかし本来は「G-PDCA」が望ましい。「G-PDCA」をまわすことでスキルアップ、キャリアアップが可能になる。その秘訣とは?

今回は、『G-PDCA勉強術必ず目標達成できる方法』(アスカビジネス)を紹介したい。著者は石川和男さん。建設会社総務経理担当部長、専門学校講師、税理士、プレゼン養成学校主宰、セミナー講師と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。

「G-PDCA」とはどのようなものか

「私は仕事のみならず、勉強、読書、執筆、講義進行、掃除そしてダイエットにいたるまで、このPDCAサイクルを回しています。ただし正確には、PDCAではなくPの前にG (ゴール)がつきます。事前にどのようなゴールに向かっていくかを設定することで、計画が明確になり、モチベーションが維持できて1日の行動がぶれなくなります。」(石川さん)

「G-PDCAサイクルとは、目的を達成するための目標を最初に設定すること。G(ゴール)を設定したら、P(計画)を立てて、D(実行)、C(検証)し、A (改善)するサイクルを言います。このサイクルを回すことで、成果を上げることができます。」(同)

これまでの、PDCAサイクルは、最初に目標やビジョを設定することが希薄だった。ともすれば、一連のサイクルを単に回していることにもなりかねない。G(ゴール)が無ければ、PDCAサイクルが回せないというG-PDCAサイクルは理解しやすい。

「G-PDCAサイクルを勉強に当てはめると次のようになります。会社で一目置かれる存在になりたいので、「日商簿記1級の資格を取る」。これがG(ゴール)。次に日商簿記1級の出題傾向を調べ、受験日までに行う勉強の計画を立てる。これがP(計画)。計画にそって勉強をするのがD(実行)。勉強が計画通りに進んでいるかチェックをするのがC(検証)。身についているかを検証するA (改善)を経て、P (計画)に反映させる。」(石川さん)

偏差値30の受験さえすれば全員が合格できる高校出身の私が、税理士を含む5つの仕事をし、休日には家族とカラオケに行くなど充実した人生を送っています。この『人生逆転』を可能にしたのは、まさにG-PDCAによる勉強でした。」(同)

自己満足に陥りやすいノート

石川さんは、勉強法のプロとしても知られているが、ここで、勉強に関する、石川さんの興味深いエピソードを紹介したい。

「特に『○○ちゃんはノートの取り方が綺麗だね』と学校時代に褒められた子供に見られるワナがあります。勉強がダメでも勉強関係で唯一ホメられたのが字がうまいことぐらいだった子供がおちいりやすいのです。夏休みに国語の教科書を丸写しして提出するような子がいます。まさに、写経、修行、諸行、無常の世界です。」(石川さん)

「それは私のことです(苦笑)。小学校低学年のときでした。先生にもっとホメられたかった私は、夏休みに国語の教科書をノート4冊に丸写しして提出したのです。一体何の意味があったのでしょう。残ったのは自己満足とペンダコ。そして、いい加減にしてほしい感がありありの、先生からの『頑張ったね!』のひと言でした。」(同)

しかし、勉強している人のなかには、このような綺麗なノートを作っている人が少なくないと、石川さんは問題点を指摘する。

「税理士試験の最中でも10人に1人はいました。綺麗なノートを作る暇はありません。重要箇所に線を引けばサブノートと一緒です。限られた時間のなかで綺麗なノートを作る余裕はありません。また、試験勉強は書くことが目的ではありません。覚えること、理解することが重要です。」(石川さん)

「そして受かることなのです。貴重な時間を自己満足の芸術的ノート作りに終わらせてはダメなのです。東大合格生の書いたノートは必ず美しいという趣旨の本が売れましたが鵜呑みにしないでください。『必ず美しい』は、ありえません。受かった人のなかに、たまたま綺麗なノートの人がいた。それだけです。」(同)

G(ゴール)が明確でないから陥るワナ

石川さんは、ノートをつくるなら「間違いノート」を作れ!と主張する。間違えた箇所は1冊のノートにまとめなくてはいけない。間違いノートは、テキスト、問題集、過去問、模擬試験などさまざまな教材のなかから、わからない箇所をその1冊にまとめているので、間違いをすぐに見つけやすい。

「間違いノートの作り方で注意するのは3つだけです。1つ目は、充分に余白を取ること。もともと間違えた箇所なので、あとから補足説明や気づいたことを書き加えたくなります。2つ目は、汚い字でもいいので大きい字で書くこと。3つ目は、テキストなどの何ページ目から写したかという出典情報を記入することです。」(石川さん)

本来の目的と乖離したノートを作成する人がいるが、これは、まさに本書のテーマG(ゴール)にあるのではないかと考える。G(ゴール)が明確でないから脱線してしまう。電車は目的地があるから走ることができる。新宿から中央線に乗って吉祥寺がG(ゴール)の場合、中野で降りてもG(ゴール)には届かない。武蔵境では行きすぎである。勉強も、仕事もこのような人が多い。すべては、G(ゴール)が明確でないから陥るワナである。

尾藤克之
コラムニスト

即効!成果が上がる 文章の技術』(明日香出版社)
※10/15(月)に11冊目となる書籍を上梓しました。

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尾藤 克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

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