井戸端会議は長寿の秘訣だった?

2018年10月19日 06:00

「声の異変」は病気のサインかもしれない。「声がかすれる」「ガラガラ声」「しゃがれ声」「声がモゴモゴして、のどに違和感がある」「あーと声を出したとき、長く続かない(男性は15秒以上、女性は12秒以上)」など。しかし、声が発信する「病気のサイン」に気づき、すぐに対策をとることで病気を未然に防ぎ、早期に対処することができる。

今回は、『声をキレイにすると超健康になる』(すばる舎)を紹介したい。著者は、医学博士の角田晃一さん。国立病院機構東京医療センター臨床研究センター(感覚器センター)、人工臓器・機器開発研究部部長、東京大学医学部非常勤講師。1998年に自身で開発した自家組織を用いた安全な声帯の再生医療である、声帯内自家筋膜移植術は国内で2003年高度先進医療にも認定され、現在欧米を中心に広く施行されている。

話さなければ声は衰えるもの

1990年代にテレビで放映されて話題になった「きんは100歳、ぎんは100歳」というCMがある。きんさん、ぎんさんというのは双子の姉妹で、長寿であること、健康であること、何とも愛らしい表情をされていたことから、大ブームを起こすことになった。

「長寿の家系には長寿のお子さんが生まれることが多いのですが、ぎんさんの娘さんのお二人(2018年現在100歳と95歳)を起用した新聞広告は、きんさん、ぎんさんに負けない長寿ぶり、健康ぶりが話題になりました。以前、私が出演したあるテレビ番組のなかでは、ぎんさんの子どもたちを取り上げていました。」(角田さん)

「皆さん仲良しでおしゃべりが大好きで、よくお話しになるのを見て、『話すことは健康長寿の秘訣である』と実感したことがあります。会社を定年退職になった男性が急に元気をなくすということがあります。夫婦二人の生活をしてこられた方たちが伴侶を先に亡くすと、急速に元気をなくしてしまうという話はよく聞くことです。」(同)

これは、どちらも仕事を離れたり、愛する人を失ったことで「やりがいをなくした」「生きがいを失った」「最愛の人を失った」という喪失感からくるものと考えられる。

「元気をなくすもう一つの理由は『話す機会が極端に減った』からとも考えられます。足の骨折などで長期入院すると足腰が急激に衰えますが、声帯というのも『使わなければ衰える』ものです。人が日常的に交わす会話には他愛のないものが少なくありませんが、大切なのは何を話すか以上に『誰と話すか』『どれだけ話すか』です。」(角田さん)

井戸端会議の効果とはなにか

「話すことが『声の健康』や『体の健康』と関係ある以上、話す機会が減ることは人から元気や明るさを奪う原因ともなるのです。地方でよく見られる光景のように友人同士で集まり、ゲートボールを楽しんだり、公民館のような集会所に集まってお茶を飲みながら、おしゃべりをして過ごすことは大切なことです。」(角田さん)

「楽しげで、にこやかに、そして大きな声で話し、大きな声で笑っていますが、こうしたある種の『井戸端会議』にこそ声と体の健康を促進する秘密があるのです。声を鍛えるためには『ビシッと声トレ』ももちろん効果的ですが、同時に日々の生活のなかで『話すこと』が日常的になれば、いくつになっても声を健康にできるのです。」(同)

井戸端会議には、「キレイな声」を維持する効果がある。「キレイな声」をキープするため、声を鍛えて、守る。この習慣を日常に取り入れることで、健康を保つことができるようになる。また、声には様々なサインがある。すぐに対策をとることで病気を未然に防ぎ、早期に対処することができる。あなたの声の調子はいかがだろうか?

尾藤克之
コラムニスト

即効!成果が上がる 文章の技術』(明日香出版社)
※10/15(月)に11冊目となる書籍を上梓しました。

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尾藤 克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

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