消費増税・景気対策:本当に、本当に、必要なことですか?

2018年10月19日 17:00

前回は、税収全体に占める消費税の重要性を書きましたが、消費増税した結果、税収そのものが下がったら意味がありません。

【消費税10%に増税】消費増税は若者にとって〇〇だ!
http://nakada.net/blog/13298

来年10月に消費税を上げることになれば高い買い物はなるべくその前にしておこうと駆け込み需要が出ます。
そして10月を越えると皆、消費しないようになり結果として景気がどんどん落ち込んで税収全体が下がってしまったら意味がありません。
仮に景気が良い時だったら少し“冷やす”意味で消費税を上げるのも悪くないでしょうが、しかしなかなかそんな良いタイミングはありません。
消費税を上げたら景気が落ち込んでしまうことを考え、安倍晋三政権は、増税を2度、延期しました。

安倍政権は今から4年前の平成26(2014)年に消費税を5→8%に上げた内閣ですが、その時の教訓があります。
当時の政府白書によると、消費税が上がり物価が上がった結果、個人消費は前年度比で0.9ポイント、GDP全体では0.5ポイント押し下げられたということで、景気が再び低迷したという苦い経験があるからです。

そこで10月15日、安倍総理は予定通り来年10月に消費増税を行う表明と同時に、景気が低迷しない対策を次のように述べました。

「経済に影響を及ぼさないよう対応する」
「第1に引き上げによる税収のうち半分を国民に還元する」

半分を還元するのであれば上げ幅は2%でなく1%の計9%でも良いのでは?と思った方もいるかもしれません。
しかし半分を還元するというのはさまざまな景気対策を予算措置して国民にお金を流すということで、仮に半分の1%しか上げない時は景気対策そのものを行わないという意味になり、できるかできないかはともかく総理の考え方は10%に上げるが景気対策で好景気を目指すということです。

さらに総理は次のように続けました。
「第2に軽減税率を導入し、飲食料品は8%のまま据え置く」
「第3に引き上げ前後の消費を平準化するための支援策を講じる。中小小売業にポイント還元による支援を行う」

この発言に関して、朝日新聞は次のような記事を掲載しています。

「公明党の石田祝稔政調会長は、「高所得者ほどポイント還元額が多くなる制度の課題」を指摘。「所得の少ない人たちにどういう対策ができるか。これはどうしてもやらないといけない」とし、商品券の発行や現金給付を盛り込んだ党独自の対策案を今月中にまとめる考えを示した」

増税対策、現金配布案浮上 「田舎の魚屋、クレカない」
https://www.asahi.com/articles/ASLBJ5674LBJULFA01K.html

もし公明党がこの方向で本当に考えているならばこれは大きな矛盾です。

そもそも消費増税とセットの軽減税率は公明党が無理やり押し込んだものです。
軽減税率は間違いなく高所得者ほど有利であることは、牛肉の事例などで以前に当ブログで取り上げました。

【次期総裁か】石破茂さんと「金持ち優遇」を徹底討論!
http://nakada.net/blog/12594

軽減税率で課税率が2つになり高所得者ほど有利になるよりも低所得者に限って現金を給付する方が良いと考えますが、同じような論で元財務官僚で中央大学大学院の森信茂樹(もりのぶしげき)教授が「公明党は「日本では所得が把握されていない」と主張している。しかし児童福祉や介護保険など、現実にはすでに所得を基準にした給付や負担が存在している」と述べていたのを思い出しました。

公明党が景気対策として商品券や現金給付を低所得者に行おうということになればかなりおかしい話です。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2018年10月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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