『黄昏流星群』ドラマは原作以上に中高年男性のためのおとぎ話

2018年10月23日 06:00

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母校、札幌南高等学校の同窓会、六華同窓会の総会に参加した。今年も、同窓の母と一緒に。弟もこの高校のOBだ。

校則はほぼない。制服もない。私が通っていた頃は、休講も事実上あり。自由な空気を目一杯、吸った3年間だ。

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高校時代の私は、こんな感じ。楽器を背負って、ライダーズジャケット、メタルTシャツ、デニムにブーツで通う日々。授業中は寝るか読書。岩波新書と、別冊宝島、文学を貪り読みつつ。よくメタルの人だと言われるけれど、当時は実に幅広い音楽を聴いており。曲のタイトルや歌詞、メンバーチェンジの樹形図なども一字一句覚えるタイプで。「頭の使い方がおかしい」と言われていた。

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今年の同窓会は特別で。幹事期だった。この総会を仕切るだけでなく、1年を通じて幹事として様々なイベントを担当する。六華ゼミという、その代のOB・OGが年間を通じて月に1回くらいのペースで登壇する講座もあり。光栄なことに、トップバッターは私だった。これがかなりの反響だったようで。同級生の中には、お子さんも札南という人がおり。感動していたそうだった。

この総会も、当時550名いた同期のうち、170名が参加。海外から駆けつけた人もおり。国内でも、空港がないエリアから来た方もおり。感激。

総会は参加して頂いた皆さんをもてなすことに専念するのだが、終わったあとの打ち上げが最高で。「久しぶりだね」という挨拶を例によってするのだが、本当に「懐かしい」のはSNSをやっていない(登録していても、積極的に投稿していない)、つながっていない友人たちと会う瞬間で。実に良い時間だった。みんな高校を卒業し25年。44歳になったわけで。それぞれの道で頑張っていて。良い空気感だったな。酔い過ぎたのと、翌日は東京で仕事があったので、0時前には失礼したのだが。

「変わっていないね」という社交辞令があるけれど、厳密には変わっていない人と、変わった人がいる。私は当時から20キロ、体重が増えており。高校時代とまったく体重が変わっていない人がおり、猛反省した。

もっとも、楽しい同窓会なのだけど、地雷も踏みまくってしまった。岡崎京子風に言うと「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」という感じ。高校時代、誰と誰が付き合っていたかとか、誰が誰を好きだったかとかすっかり忘れていて、あとから考えて「あ!」という感じになり。

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ふと、ドラマ化された『黄昏流星群』のことを思い出した。この漫画版、文庫版と総集編的なものを持っているのだが…。よくあるパターンで、同窓会で同期のマドンナと再会→禁断の愛が始まるなんて展開があり。プロ人間観察者として、そういう展開ないかなと思わず、激しく傍観してしまったのだが、当社調べでは特に何もなく。みんな、人間として、友人として好きすぎて、もう会うだけで幸せだから。誰も恋愛など期待していないし。

いきなり話は飛躍するが、今回のドラマ版『黄昏流星群』を複雑な心境で見ている。佐々木蔵之介と黒木瞳は大好きで。演技もいい感じだ。ケチをつけるつもりはない。

フジテレビ番組公式サイトより:編集部

ただ、まったく共感できないのはなぜだろう。考えてみた。

まず、『黄昏流星群』は言うまでもなく、フィクションであり、ファンタジーだ。「中高年男性のためのおとぎ話」だった。こんなにうまくいかないだろ、と。そもそも、いつまで恋愛なんてやっているんだよ、と。この原作のツッコミどころがまず、ある。

原作がスタートしたのは1995年だ。何かの終わりのような、始まりのような年である。実に混沌としていた。ちょうどこの年に、弘兼憲史が『黄昏流星群』を、渡辺淳一は『失楽園』をスタートさせていたのはある意味、興味深い。燃え狂うような激しい恋愛というか、情愛というか、性愛に走ったというか。彼らなりに日本を元気にしようとしたのかもしれない。ただ、当時から『黄昏流星群』や『失楽園』は、共感するものでなく、面白がるものであり。これまでも何度もドラマ化、映画化されてきたが、今の時代に共感を得るものになっているだろうか。

今回のドラマ化も、ファンとしては嬉しい。感謝している。キャスティングも豪華だ。文句を言うつもりはない。ただ、文句ではなく、ツッコミたくなってしまうのである。一応、枯れた男風に演じているものの、佐々木蔵之介はイケメンだし、黒木瞳も美人すぎる。もともと、原作は登場人物は顔面偏差値が高いわけではない。マドンナ役ですら、特に美人というタイプではないという回もあった。

まあ、ドラマに原作の再現を求めすぎてもいけないのもよく分かる。今後の回を楽しみ尽くそうと思う。ただ、何かこの違和感は口にしておきたかったのだ。

思えば、高校時代も「男女間の友情は存在するのか」という茶飲み話を放課後の教室や喫茶店でしたような気がするけど。友情は存在すると確信したし、燃えるような恋愛、情愛、性愛よりも、同世代の同じ時代を過ごした仲間がいるのは素敵だなと感じた同窓会だった。

ドラマについては、今後も、夫婦で楽しく観たいと思う。うむ。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2018年10月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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