真の多様性ある社会とは、「自分と異なる意見・不愉快に思う表現」と共存すること

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

10月23日は質問原稿作成の合間に、「JobRainbow」さんから取材を受けて有意義な意見交換をし、

夜はハヤカワ五味さんを招いての、オンラインサロン勉強会を行いました。

ギニュー特戦隊を意識したポーズをしようと思ったら、まさかの五味ちゃん(23)はギニュー特戦隊を知らないという事態…。ジェネレーション・ギャップ!

ということはさておき、こちらの勉強会でも、セクシャルマイノリティ・LGBTについてが大きな議論のテーマとなりました。

日中の取材と夜の勉強会で共通して俎上にあがった問題意識は、「LGBT当事者の間で分裂・意見の相違が顕在化している」ということ。

世界の潮流や、2020年五輪・パラリンピックも控えていることも相まって、いまLGBTを巡る政策にはかつてないほどの政治的注目が集まっています。

こうした中で政治運動も盛り上がりを見せ、積極的に情報発信をしたり、強硬的な意見を表明するLGBT当事者がいる一方で、そうした姿勢に疑問を持つLGBT当事者たちも増え続けているように感じています。

私自身もまさに先の東京都人権条例の審議の際に直面したことですが、「差別禁止にまで踏み込むべきだ!」と強く主張する当事者・団体が存在する一方で、「そこまで求めていない」「この条例を性急に制定したら、むしろ分断を生むのではないか」という当事者からの声も私の元へは届き、大いに逡巡しました。

ムーブメントが大きくなる過渡期ゆえの混乱とも言えますが、声が大きな「活動家タイプ」の意見ばかりが強くなってもいけない。一方で、強く意見しなければ影響力を持てないのも確かであって…

LGBT当事者たちもいま、自分自身がどのように向き合うべきか、悩んでいる方々が多いように思えます。

こうした状態に対して、私自身もまだ明確な答えを持っているわけではないのですが、ゴールである「多様性が認められる社会・多様性ある社会」がいかなるものかという、共通認識を持つことが大事かなと感じています。

真に多様性のある社会とは、文字通り様々な意見や価値観が共存する社会です。そこには当然、自分と異なる価値観や、自分が聞けば不快な意見が存在します。

法的・社会的な差別は勿論なくさなければなりませんが、「私は○○が嫌い」という価値観をなくしたり、意見を封じたりすることはできません。

つまり、多様性のある社会とは決して、「自分が何一つ不愉快な気分を味わうことのない、理想的な社会」ではないのです。

ここを共有してないと、社会運動はありえない「理想」を求めて先鋭化し続けることになり、当事者間での亀裂はますます深まる可能性があります。

パートナーシップ制度や差別解消法が制定された後に、どのような社会が待っているのか。そのイメージを共有し、熟議を深めながら進んでいくことが大事かなと思います。

やや抽象的な話になりますが、「当事者」と一括りにできない様々な意見に触れながら、引き続き私の立場でできる政策提言に尽力して参ります。

その他にも色々とお話した点については、「JobRainbow」さんがインタビュー記事にまとめてくださると思いますので、そちらが配信されたらまたお知らせ致します。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2018年10月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。