バロンズ:中間選挙後は米株高、11月〜4月が狙い目

2018年11月05日 06:00

バロンズ誌、今週のカバーに防衛関連株を取り上げる。中国が8月、超音速航空機「星空2号」の試験飛行に成功したと発表した。しかし、音速の5〜6倍の速度での持続的高校と突然の方向転換が可能な「星空2号」は、現時点での防衛システムをすり抜ける超音速ミサイルの開発が数年後に迫っているという、恐ろしい事実を米国防総省に突きつけたも同然だ。超音速ミサイルの脅威に備え、トランプ政権が国防面でも中国との対立を深化させること必至の状況下、投資家は防衛関連株の見通しに留意すべきだろう。詳細は、本誌をご覧下さい。

当サイトが定点観測する名物コラム、アップ・アンド・ダウン・ウォールストリート、今週は中間選挙後の米株相場を展望する。抄訳は、以下の通り。

11月から4月が米株投資する最良の時期である理由—Why November to April Might Be the Best Time to Invest in the Stock Market.

10月の相場がどのようなものだったか測る指標により判断は異なるだろうが、ウィルシャー・アソシエーツによれば米株は同月に時価総額を2.4兆ドル吹き飛ばしており、投資家の打撃となったことだろう。ウィルシャー5000は10月に7.29%下落し、米国債ショックが襲った翌月の2011年9月以来の下げを示した。

今回の米株安のポイントは、逃げ場がなかった点にある。長期債は従来、米株安局面で買いが優勢だったものの、むしろ米株安と並行して売りが被さるといレジーム・チェンジに遭い、米30年債は10月に5.36%安を迎えた。

米国をはじめとした世界的な株安と債券安の背景には、米連邦公開市場委員会(FOMC)による利上げや保有資産の圧縮をはじめ、米中貿易戦争が挙げられよう。しかし、カレンダー上では上昇余地が大きい。ヤルデニ・リサーチによれば、S&P500は中間選挙から1年後に必ず上昇しており、1954年の中間選挙後での33.2%高だったほか、ブラック・マンデーを挟んだ1986年の中間選挙後でも1.1%高だった。

1970年以降、S&P500の1年後のリターン。赤は共和党、青は民主党が両院で多数派になった時を表し、グレーは上下院でねじれになった時を表す。

(作成:ダウ・ジョーンズのデータを基にMy Big Apple NY)

大統領の4年間の任期とも関係が深い。LPLフィナンシャルによれば、1896年以降、就任2年目の10〜12月期から就任3年目の4〜6月期までの9ヵ月間のダウのリターンは好調だ。例えば、就任2年目の10〜12月期のダウのリターンは、平均で4%高で、就任3年目の1〜3月期は5.2%高4〜6月期は3.6%高となる。これは、大統領選を前に政権が経済政策でテコ入れするためと考えられる。

米議会で、ねじれが生じた場合はどうなるのか。大統領が共和党出身で同党が上院で多数派を制し、民主党が下院で過半数を獲得した場合、1950年以降のS&P500の年間平均リターンは15.7%高と、あらゆる組み合わせの中で2番目に強い。最良の組み合わせは民主党の大統領と共和党が両院で多数派にまわった場合で、年間平均リターンは18.3%高となり、1990年代のITバブル期が思い出されよう。

「5月に売り逃げろ(Sell in May)」の裏返しで、11月から4月まで米株高を迎えるというアノマリーもある。ストック・トレーダーズ・アルマナックによれば、1950年以降、11月から4月までの6ヵ月間の平均リターンは7.5%高だ。5月〜10月の平均リターン0.6%高と明暗が分かれる理由の一つは、投資信託の年度末が10月であることと密接な関係があるのかもしれない。投資信託は、税制面からパフォーマンスの悪いポジションを年度末に売却しがちだ。アルゴリズムを駆使したコンピューター取引の普及も、こうした季節性に拍車を掛けているだろう。

とはいえ、何事も例外がある。11月〜4月のリターンは米国がカンボジアに侵攻した1970年、OPECが原油禁輸措置を敷いた1973年、金融危機の最中にあった2008年に弱まった。不確実性の高い現状の政治環境を踏まえると、過去の例は必ずしも将来のリターンを約束するものではないとも考えられよう。


アノマリーでいけば、中間選挙後は米株高という話のはずですが、執筆者のランダル・フォーサイス氏がここ数年にわたって悲観派なので、梯子を外したかたちで記事を終わらせていますね。米10月雇用統計を受け、Fedの2019年の利上げペースが市場予想の1〜2回に反し3回となる可能性がちらつき、中間選挙後にG20を舞台にした米中首脳会談を控えるのであれば、強気一辺倒となれないのでしょう。

(カバー写真:Thomas Hawk/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年11月4日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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