「資格バカ」になってはいけない

履歴書に、たくさんの資格を持っていることを誇らしげにアピールしている人がいますが、「資格の数=能力の高さ」にはなっていません。

逆に、聞いたことの無いような資格や、何の役に立つのか良くわからない資格が書いてあったりすると、その資格がメリットどころかデメリットになってしまうこともあり得るのです。

司法試験、税理士・会計士といった国家資格は持っていないと実務ができませんから、それなりの価値はあると思います。しかし、世の中のほとんどの資格は民間の組織が認定しているもので、持っていなくも実務ができれば問題無いのです。

新しいことを始めるのに、まず資格を取ることが大切と思っている人が、未だにいるのには驚きますが、シグナリング効果の無い資格をたくさん取っても、効果はゼロです。

その資格を持っていると提供するサービスのクオリティが高いという「シグナル」を発信できる資格以外は、資格自体を保有することにメリットはありません。

これは、自分が顧客の立場になって考えてみれば実感できると思います。例えば、ワインの専門家の資格を持っている人よりも、掘り出しもののワインをたくさん知っていて、独自の情報で素敵なワインバーを紹介してくれる人の方が、ワインの専門家としての付加価値は高いはずです。

資格を持っていても、実務経験の無い頭でっかちな人には、付加価値を提供できないからです。

確かに、資格を取得する過程で勉強することによって得られる知識の中には、役に立つものもあります。自分の経験だけで知識を蓄積するとどうしても偏りが出てしまいます。体系的に満遍なく知識を網羅していくのに資格の勉強はプラスに働くこともあるのです。

しかし、資格さえ取れば、と資格の取得が目的になってしまうのは、賢明とは言えません。

ストックサンの株本さんが「大学はコスパで選べ」と言っていたのと同じように、「資格もコスパで選べ」です。そのような観点から、資格を考えてみると残念ながら費用対効果に見合う資格というのは、国家資格以外に国内にはほとんど見つからないのが現実です。

ほとんどの資格は、取得する人のメリットのためにあるのではなく、資格ビジネスで儲ける「胴元の人たち」のためにあるのです。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年11月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。