移民で労働力確保は単純発想。多文化共生なぞ寝言だ --- 加藤 晋介

寄稿

移民について考える時、次のような多くの検討すべき課題がある。

1.移民を受け入れるならどこの国、どの民族を対象にするのか
2.どんな技能を有する外国人をいれるのか
3.年金、医療などの社会保険加入条件はどうするのか
4.滞在期間や滞在資格はどうするのか
5.   国防上の問題はないのか

筆者はよくヨーロッパへ仕事柄出かけるがヨーロッパでは今日、多くの移民がいる。その結果ヨーロッパ社会に何が起きているか。一言で言うなら社会・文化・治安等すべてのレベルダウンである。多くの職種で移民が働くことによって社会のあらゆる面で質の低下が起きる。移民労働者の質は自国民より多くの場合、明らかに劣る。それがヨーロッパの教訓だ。

現在、筆者は不動産関連に知人が多いが日本の不動産はいま中国人に爆買いされている。
戸建てから中古マンションまで何でもありだ。賃貸物件の一棟買いも珍しくない。億単位の物件が飛ぶように売れていく。彼らの購入動機はいろいろあるが、ひとつは本国からの資産移転であり、もう一つは日本に移住するためである。買った不動産を利用して賃貸事業を始め、会社経営の在留資格を取得するのである。

会社を設立して自分が経営者になれば簡単に経営・管理の在留資格がとれる。会社経営の経験もなければ日本語も満足に話せない…筆者の周辺でもそんな中国人は大勢いる。日本の法律やルールなど全く理解しようとも遵守しようともせず、せっせと裏稼業に励んでいる。表沙汰になって捕まらなければいいというスタンスだ。具体的なことは差し控えるが、彼らのやるビジネスでは違法なものも多い。日本にはすでに中国人社会ができており、その中だけで十分ビジネスができるのだ。

自分は中国人と接点がないから関係ないと思うのは浅薄すぎる。例えば自分がいま住んでいる賃貸マンションが中国人オーナーに代わったとする。中国人は建物を適切に維持管理するという考えが乏しい。法定点検などしないし、壊れるまで使って使えなくなったら他へ売り飛ばせば良いと思っている。そのため建物はすぐに老朽化する。

分譲マンションでも中国人住民が増えると管理組合の未収金が増え、必要な修繕もできなくなる。何より建物の痛み方がひどくなる。共用部が破損し、エレベーターが汚くなって建物の資産価値も下がる。そんなことはマスコミも報道しない。

また買ったあとで違法民泊に使われる恐れがある。賃貸物件で借り主が中国人と聞いただけで断る家主は多い。中国人に限ると慢性的に供給不足だから自分が賃貸物件の家主になって同じ中国人に貸すのである。これで儲けている中国人家主は多い。

最近、地方の温泉旅館が中国人投資家グループに買収された。小さな旅館だが料理は美味しくサービスも良かった。ただ後継者難で売却されることになってしまった。そこに手を挙げたのが中国人投資家だった。今後は中国人富裕層専用旅館にするという。

また不動産を買っても固定資産税や住民税を払わない中国人は普通にいる。筆者の知る限りでは滞納なく支払っているケースを見たことがない。ひどいのになると5年以上も滞納して滞納額が500万にも達しているケースがあった。これだけ滞納しても差し押さえして競売に付さない市の対応も異常だがこんなのは氷山の一角である。

所得税なども自分の国にいる家族を呼び寄せてどんどん扶養家族とし、節税に励んでいる。
そのため、いざローンを利用しようとすると審査が通らないので、今度は金融機関の融資担当に裏金を渡してローンを通したりする。源泉徴収票の偽造変造も多い。納税証明書も偽造する。目的を達成するためには手段を選ばないのが彼らのやり方である。健康保険証の使い回しも当たり前に行われている。日本のそれは外国と違って写真がないので簡単に使いまわしができる。本来なら加入資格のない一時滞在でも使える。高額医療を受け、治ったら医療費も払わず帰国する。負担するのは誰か言うまでもないだろう。

仕事柄彼らの滞在資格を確認することが多いが、こんな程度の技能や日本語能力でこの在留資格を取れるのかと思うくらい今の入管審査は甘い。高度専門職2号の資格で日本に滞在する中国人を知っているが、この人の技能のどこが高度なのだろうと不思議に思った。しかも日本語能力試験一級を取得しているというが、それにふさわしい日本語能力はない。

そもそもこの試験自体、替え玉受験など不正のオンパレード、日本で就職したい中国人のために替え玉受験ビジネスをやっている組織すらあるという。証明書でも資格証でも偽造できるものは何でも偽造する。発覚して捕まりそうになると帰国する。ほとぼりが冷めたら官吏に裏金を渡して別名でパスポートを作り再来日する。国自体が偽造をなんとも思わない国家なので日本人の常識は通用しない。日本の伝統工芸を見て、そこにある技に感動し、それを学びたいと考えるのは主に欧米人である。

しかし中国人は違う。いかにして安い偽物をたくさん作り、儲けられないか考える。それが彼らの精神構造である。日本に移住したい中国人はそれこそゴマンと居て外国人労働者を入れることになれば彼らが偽造証明書を手に押し寄せてくるのは火を見るより明らかだ。

こうした外国人が増えれば、日本の社会のあらゆる面が危機に瀕することになる。彼らの無責任、利己主義、遵法精神の欠如は社会のすべてを劣化させる。彼らが日本に増えても日本の社会に何のメリットもない。それだけではない。

北京オリンピック聖火リレー時に集結した中国人留学生ら(平成20年「警察白書」より:編集部)

2008年の聖火リレーでは長野駅前広場で在日中国人が3000人以上大暴れしたことからわかるように国防動員法まで有する国民が増え続ければ、表立った戦争などしなくても中国政府は日本を乗っ取れると言っても過言ではない。(「長野聖火リレー」で検索すればすぐにヒットする)

それでも移民を入れるというなら、まず国別に受け入れ数に限度を設けるべきだ。少なくとも反日国家・独裁政権・無法国家からの移民は制限するか原則禁止としなければならない。また日本語能力も必須としなければならない。最低2級は必要である。

また移民相互主義という考え方も提唱したい。ある国に移民している日本人が例えば1万人いるなら同じくその国からは1万人を上限として移民を受け入れるというものだ。企業からの派遣は別として個人的に海外在住している日本人の数を対象にする。日本人が住みたいと思う国なら日本と近いレベルにあるという判断も成り立つからだ。

もちろんこの数は起算する年度も検討しなければならない。そうしないとかつて日本人が移民した南米から多数入ってくることになる。

最近は日本の文化・自然・都市生活の快適さなどに魅力を感じて中長期で滞在する欧米人も増えた。彼らが日本の伝統文化や新たな産業の担い手になってくれるなら移民受け入れも悪い面ばかりではないことになる。

しかし、日本人がやりたくない仕事を外国人で代替するという発想では人手不足は解消しない。慢性的な人手不足を解消できない業種や企業は経営努力が足りないか、それができないなら退場すべきなのではないか。

目先の経済的理由から移民を入れて労働力不足を補うという単純な発想では日本の未来はない。一度移民を入れたら元に戻せないことは諸外国を見れば明らかだ。多文化共生などという寝言はいい加減にすべきだ。


加藤 晋介 独立系経営コンサルタント。
海外進出を図る中小企業を主にサポート。ヨーロッパに進出する企業のためにビザ取得から、現地パートナーの紹介等を長年行っている。近年は中国からの撤退を検討する企業の相談も多い。移民政策はごく一部を除いて世界の多くの国で失敗している現実を知ってもらう必要があると思い投稿した。

【お知らせ】アゴラでは、「移民」に関する皆様の論考を募集しています。臨時国会で外国人労働者の受け入れ拡大が大きな争点になっていますが、少子高齢化とグローバル化に直面する日本は、外国からの労働力を受け入れるべきか否か?移民を解禁するべきか否か?あるいはこれまでと異なる視点も含め、皆さまのご意見をお待ちしております。

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