国際会議2日目:バチカンが依存症者のために祈ってくれた!

田中 紀子

バチカン会議も二日目になり、ようやくこの会議のことが色々わかってきました。
まず初日の前半は、薬物合法化をめぐる法的な議論だったんですね。
ここにはUNODCという、国連が作っている薬物の機関の方や、ヨーロッパの薬物政策の、取りまとめを行っている機関の方などがお越しになっていました。

そして午後が、ネットやSEXそしてギャンブルといった、その他さまざまな依存症について。
そこに私が登壇したわけですね。

で、二日目は何かといえば、回復についての各国の取り組みだったんですね。
だからこれが面白いわけじゃないですか~。
ところが!またしてもアクシデントで、通訳が昨日の疲れからか?ダウンしてしまい、まったく内容がわからん?ってな感じだったんですね。

なので仕方ないから、スライドは大体写真をとり、あと、音声は録音し、そしてうけてる発表者のところには、走って行って、「グレイト!」とか「コングラッチュレーション」とか、とにかく身振り手振りで「とってもよかったです~!」とアピールし、「ネームカード頂戴!」と言って、連絡先をゲットし、さらに「ところでさっきのビデオこのHPで見られる?」ってなことを聞き出す、とまぁ、私にできる限りのベストを尽くしました。

すんごく驚いたのは、インドの方の発表ですね。
この方たちの予防教育が超面白そうだったんですね。
会場も爆笑だったんです。
前日まだ友人が元気だった時に、このご夫婦とお話しできたんで、「是非、日本に来て、子供たちへの予防教育を教えて!」と伝えました。
インドなら同じアジアですし、ヨーロッパよりは近い!
なんか新しいコラボができそうで、わくわくしてます。

私、日本の法律ができて地域連携が行き届いたら、老後はアジアの、恵まれない子供たちや虐げられてる妻への依存症対策に人生をささげたいなぁ~と漠然と思ってたんですよね。
なんとなく夢への1歩か?と思っちゃいました。

来られてる方々は、ほとんどが松本先生のところみたいな、国で作られた、薬物対策の機関の方々なんですけど、このインドの方は、民間のNPOなんですね。

見ていて思ったのは、国の機関の方々はどっちかっていうと、どんな取り組みをやってるか?ってことを、体系立ててお話しされてるんですね。
介入から自立支援までって感じ。
(多分だけど)

でも、民間団体は、回復した姿の写真や、教材の中身の紹介などがあって面白そうでした。
(よくわかんないのが残念ですが、バチカンのUPを待ちましょう!)

で、おったまげたのは、世界の教会の関与です。
なんとですね、世界の様々な教会が回復施設みたいなものを作ったり、我々のような民間組織を作って、ヘルプラインをやったりと、色んな依存症支援を行っているんですね。
これは日本の教会ではまずありえないじゃないですかぁ。
へぇ~へぇ~へぇ~と、ぶっとびですよ。
むしろ日本のクリスチャンはダメ絶対でガチガチな気がするんですよね。
(少なくとも私が洗礼を受けた教会はそうです。)

これはですね、私が各国の取り組みなどを責任もってまとめてですね、日本の教会にぜひとも報告せねばならん!と思いましたね。
我々の仲間にはクリスチャンも多いですから、仲間たちにも報告するとともに、仲間たちからも教会に働きかけて欲しいと思いました。
依存症への理解を深めて欲しいですよね。

そして、セミナーの最後に素晴らしいGIFTがあったんです。
なんとですね、セミナー参加者が全員、バチカンのあの大聖堂でミサの恩恵に預かれたんです。
これはものすごい感動でした。

セミナー参加者のうち、各国の司祭様がいらしてるじゃないですか。
この方々が、皆さん着替えて祭壇にあがられたんですね。
そして、なんとアディクトのための祈りをささげてくださったんです。

あのバチカンがですよ!依存症者のために祈ってくれた!
これは本当に感激で、泣きました。

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この場に仲間たちと立ちたかった!
あぁ、この感激を仲間たちと味わいたい!と心から想いましたね。
私の気持ちが少しでも通じるとうれしいのですが。

そして本当に自分だけが苦労している気がするときもあるけれど、そうじゃないよな、これは神様と仲間たちからもらったGIFTだよなぁって思いました。
だって私一人だったら、何の影響力もないし、国を動かすことなんてできなかったです。
でも、組織として仲間たちの力があったからこそ、ここに招いて貰えたわけですよね。
地域の仲間が、こつこつと築いてくれた、連携や働きのおかげですよね。

そして私は代表だから、こうしてその恩恵にも預かれたわけで、そのお返しを、またみんなにどうやったらできるのかな?とずっと考えていました。

人が祈る姿は本当に美しいですよね。
謙虚さを再び取り戻すことができます。
感謝です。


編集部より:この記事は、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2018年12月1日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。