大阪万博:当時幼稚園児だった中田が思う「今回は違う」

2018年12月04日 17:00

大阪で2025年の万博開催が決定しました。

決定の翌日に大阪市内に居ましたが「パンパカパーン!おめでとう!」という雰囲気が確かにありました。

そもそも万国(国際)博覧会とは嘉永4(1851)年にロンドンで初めて開かれ、日本は慶応3(1867)年から出展しています。
当時の江戸幕府や薩摩藩などが出展しましたが、例えば佐賀藩は有田焼や伊万里焼などを出品したそうです。

当初の万博は工業化したものを見せびらかしたり技術を自慢し合う傾向がありましたが、時代とともに中身は変わってきました。
今では海外旅行は自由ですし、新しい物や技術、ヒット商品はすぐに伝わり届く、すなわち国境をどんどん超えている状態です。

2015年にミラノ万博に行ったことは当ブログに書きました。

【自撮りで】食のミラノ万博より。報道とは違う「率直なトコロ」

そこで感じたのは経済でもよくモノ(物)消費からコト(事)消費に変化していると言われるのと同じように万博もモノの見せびらかしからコトの体験へと変わっていることでした。
ミラノ万博のテーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを」。
すなわちテーマもモノではなくソフト・コンテンツに変化しています。

2025年の大阪関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
多様で心身ともに健康な生き方とか持続可能な社会経済システムなど、こうしたテーマ設定になっているのもやはりトレンドでしょう。

横浜市長時代に横浜港は開港150周年を迎えて「開国博Y150」というものを開催しました。
もちろんこれは国際博覧会ではありませんがこれが赤字で批判を浴びました。
今回の大阪関西万博も同じですがこういうイベントを催しても行政自体は赤字になるのはほぼ間違いありません。
目指すのは呼び水となって経済波及効果が生まれることです。

横浜にとって港は市の歴史そのもので、市民も含めた横浜のアイデンティティー(同一性)ですから、開港150周年に「大きな記念の建造物を建てろ」と要望や陳情を散々されました。
実際に開港50周年には横浜市開港記念会館が、開港100周年の時には横浜マリンタワーが作られています。

ですから150周年でも当たり前のように「何を作るんだ」と考えられ、具体的にロープーウェイや自由の女神、世界一の巨大ホール、そして横浜球場に代わるドーム球場などが陳情として来ました。
しかし100周年のマリンタワーは2016年で維持管理費が約4,300万円など大赤字です。
すなわち何かを作ってずっと維持費をかけていくよりは、横浜市民がヒストリーを知ったりアイデンティティーを高めるようなソフトをやろうというのが開国博でした。

しかし今回の大阪関西万博はかつてと同じような夢を見ているところが少しあるようです。

1964年の東京オリンピックと1970年の大阪万博、今回は2020年の東京オリンピック・パラリンピックと2025年の大阪万博です。
あの頃は高度経済成長、今は成熟というか少子高齢社会で縮小国家ともいえる日本です。
経済が活況を呈してそこにオリンピックや万博というのとは違います。
さてどんな万博になるのでしょうか。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2018年12月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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