高齢社会は、危険がいっぱい ⁉︎

2018年12月09日 06:00

「ゆっくり走っていた自転車が少し当たっただけで、相手が寝たきりになった」
「歩いていて衝突したら、相手が車椅子生活になった」
最近、このような話をよく耳にする。

高齢社会となった日本では、少し転んだだけで骨折をするなどして「寝たきり」や「車椅子生活」になる高齢者が巷に溢れている。もちろん、高齢者自身が運転していた自転車が倒れ、同じような重篤な症状に陥ってしまう人も少なくないようだ。

中高年くらいまでなら、「痛てて!」で済んだ程度の転倒事故が、80歳前後の高齢者になると大事故になってしまうのだ。

とりわけ、体重の重い高齢者の場合、転倒の衝撃が大きい。

これは「相手が高齢者だったから運が悪かった」では済まされない。
高齢者の家族にしてみれば、寝たきりになれば重い介護負担が突然降りかかってくる。

仮に、高齢者に衝突した側にほとんど過失がなくとも、結果が重大だと、頻繁に見舞いに行かざるを得なくなったり、家族に責められたりもする。中には、ノイローゼになってしまう加害者(?)もいる。

加害者の過失割合が高い場合は、高額な医療費などの賠償義務が生じる恐れもある。
自動車保険のオプションにある「個人賠償特約」に加入していれば、正当な金銭賠償は補填されるが、道義的責任までは免れない。

余談ながら、米国などはもっとドライで、死傷という重大な結果が発生しても明確な過失が認定されなければ一銭も賠償責任が発生しないこともある。

ところが日本では、十分な金銭賠償をしても、それだけでは済ませてもらえない風土がある。

今後、ますます高齢者が増えてくると、いつあなたの身に同じような災難が降りかかってもおかしくない。

個々人としてやっておくべきことは、自転車保険や先の個人賠償特約に加入しておくことだろう(いずれも掛け金は安い)。

人が集まるところ、例えば飲食店などは、高齢者目線で設備等に十分な配慮をしておくことが賠償責任の減免に繋がる。

なんと言っても「転倒」が一番怖いので、「段差がありますから十分ご注意下さい」「床が滑りやすいので十分ご注意下さい」等、大きな文字で注意書きを掲示しておけば、責任が大幅に減免される可能性もある。

その他の施設でも、今まで以上の注意喚起と従業員の目配りが必要になると予想される。

「子供目線での被害防止」は既に十分普及しているが、「高齢者目線での被害防止」はまだまだ普及していないように、私には感じられる。

重大な結果が生じてしまってから、「ああしておけばよかった…」と嘆いても遅い。
ほんの少しの工夫で、(少なくとも)法的責任は大幅に減免させることができる。
とりわけ高齢者が集まりやすい施設の管理者等は、一刻も早く着手すべきだ。

個人の自転車保険等の加入はもちろんのこと、歩きスマホによる高齢者との衝突の危険も十分認識しておこう。

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荘司 雅彦
講談社
2006-08-08

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年12月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。

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