日本にまともな戦闘機は開発できない。そこを認識すべき

2018年12月13日 06:00

FMS増加、元防衛相が危惧「防衛力、自国開発が基本」:朝日新聞デジタル

――FMSによる武器調達が急増しています。背景と問題点をどう見ますか。

「厳しい安全保障環境を踏まえ、防衛力の整備のために必要だということで、陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』や早期警戒機E2D、迎撃ミサイルSM3などをFMSで購入し、これが巨額になっている」

「必要性はわかるが、日本の防衛産業への影響は無視できない。F35もFMSだが、日本側ができるのは戦闘機の組み立てだけで、技術の開示はない。FMSでの武器輸入では、日本の技術的向上にはまったく寄与するところがないのが問題だ」

まあ、中谷さん一流のおとぼけだとは思います。

でもね、F-35Aの導入を決めたのは民主党政権だったんだから、ちゃぶ台返ししてもよかったのよ。

F35A(空自サイトより:編集部)

実際ぼくは、FACOは技術的に得ることはないし、調達金額がつりあがるだけ。しかも調達単価が上がれば、ただで遅れているFX調達が遅れる。森本さんはF-4EJ改を地上で留め置けば、いくらでも時間稼げると一緒にでたテレビでいったけど、それは空軍基地じゃなくて、航空博物館ですよ。

こんないい加減な防衛大臣が決定したことなわけですから、政権に返り咲いた自民党がひっくり返してもよかった。
FXをもう一回やれとはいわないけども、FACOから輸入には切り替えられたわけでしょう。

実際、今度はそれをやるわけです。その間安倍政権は6年もの時間と1800億円近い血税をドブに捨ててきたわけです。

なぜFACOを選んだのか。そもそも論でいえば、常日頃指摘したように、F-35Aを選んだ段階で、国産戦闘機生産基盤が失われることを意味していたのにに、現実を見なかった。民主党なら仕方がねえなあ、ですみますが(ホントは済みませんが)、長年与党の地位にあった自民党も「お花畑」だったわけです。

今回だって財務省と、会計検査院が政治の無能のケツを拭くための絵を描いて、それに乗っかっただけでしょう。
そういう幼稚な自分たちを自己批判すべきです。

そもそも論で言えばFXでF-35Aの調達=戦闘機生産基盤の破壊は正しかったのか。

またF-35Aの調達でなぜ単にコストを上げるだけのFACOを選んで1800億円以上の血税をドブにすてたのか。

ステルス戦闘機取得と、戦闘機生産基盤の維持の両立が本気で可能だと思っていたのか。

などについて、真摯な調査と分析、責任の追求が必要です。でないと同じことを繰り返すでしょう。
ですが、恐らくこれらはおこなれず、また同様の血税をドブに捨てることになるでしょう。
無責任は常に税金の浪費を伴います。

――F2戦闘機の後継機選定では、純国産は厳しい情勢のようです。

「日本の防衛産業は、機体もエンジンも自信を持っている。(実証機の)X2で実験し、ステルス性能でもよい結果を残しており、国産も不可能ではないと思う。最初から諦める必要はない。日本は新幹線も自動車も世界一安全で技術もあり、航空機でそれができないわけではない。財務省は経済性から国産を問題視するが、国の安全保障、防衛という見地から、国産に向けた努力を傾注する姿勢が大事だ。自民党内ではF2後の次期戦闘機は国産主体で考えようとの意見が強い」

ところが未だにこんな「大本営発表」を繰り返す。そもそも我が国にまともな戦闘機を作れる技術はないし、数兆円かかる開発費をどう工面するのか。医療費でも削りますか?

未だに、機体、エンジン、アビオ全部やる気でいる。結局中途半端な開発費を按分してつぎ込んで、クズをつくって、調達コストだけはバカ高いというF-2二の舞になることは必至です。

出来ないことを出来ないと認めるのは勇気です、それがないのは意気地なしです。

エンジンにしてもそんなポッと世界最先端のものができりゃだれも苦労しません。
まだ地上試験もろくにしておらず、ものになるかもわからない。
カタログスペックだけで世界一流のエンジン作れるならば誰も苦労はしません。

なんで世界のエンジン市場に新規参入が少ないのか、シェアを取れるメーカーは更に少ないのか。
よく考えれば、分かる話でしょう。

しかもIHIにまともな戦略もない。これがGEやRRに伍するとは言わないまでも、背後を見ることができるようなエンジンメーカーになるという構想はない。単に例によって官需でお勉強できればいいや、という根性でしょう。

ジェットエンジンなんて千基は作らないとまともな商売として成立しない。
国産戦闘機作ってもせいぜい100~200機でしょう。初めから成立しない話です。

ガレージキットレベルの数のプラモ作るのに金型作ってインジェクションで生産するようなものです。
そして例によって、試験も端折るのでろくなものができない。できなくとも出来たことにする。

F-2のレーダー不具合だって空幕は長年隠してきました。
そういう組織を納税者が信用できますか。

「日本の防衛産業が次々と撤退している。あまりにもコストダウンが求められ、初期投資の回収ができないからだ。武器輸出三原則は緩和されたが、主要装備では輸出ができていない。日本政府は、日本の防衛産業のサプライチェーン維持のため、代替困難な技術を持つ企業を保護する必要がある。防衛・民間の相互応用を可能にして、企業努力、学術研究の正当な評価で国内産業を活性化させるべきだ」

これまた随分な言い草です。
官の側がまともなコスト管理をせずに来たつけを民間に払わせているだけでしょう。

まず、調達するときにまとめて調達する計画がない。毎年なし崩し的にほそぼそと調達する。
それがいつ終わるのかわからないこれが諸外国であれば、例えば5年間で1000個調達し、総額いくらか決定して契約します。それがない。君たちはどこの未開人ですか?レベルです。

当然メーカーは合理的な生産計画が立てられません。

また、市場が小さいのに同じ分野で重複するメーカーが多数あり、それを食わせるために細切れ発注をする
という側面もあります。事業統合、業界再編をすべきですが、防衛省に当事者意識も能力もなかった。

まるで高く買おうとしているとしか思えません。売上規模が小さいし、海外市場も考えないので、まともな設備投資、研究開発ができるわけがない。そのような防衛産業には将来がないのは当然ですが、市ヶ谷や永田町の先生方はまだ夢をみているようです。以前中谷さんとご一緒したプライムニュースで、ぼくは「現実を見よ」とフリップに書きましたが、未だに不都合な現実をみることができないようです。

装備に限らず、需品でも防衛依存で、高値で食っている企業はすくなくありません。
水筒にしも陸自の水筒はカバーなしの裸で単価が7千円です。市場では千円でカバーつきのものが入手可能です。桜のマークがつくだけで、市販品と対して変わらないものが何倍も高い値段で売られています。

前から申しているように、防衛産業をまともにするためには「血と涙」が必要です。事業統合、事業撤退、新規参入を促して技術や競争力がない企業には撤退してもらう。また果敢に海外市場にも挑戦してもらう。これをやらない限り、防衛産業の再生はありません。夜郎自大では緩慢な師を迎えるだけです。

■本日の市ヶ谷の噂■
陸幕が要求している「装輪自走りゅう弾砲」は射撃時の安定のために8輪トラックを採用し、このためC-130での空輸はできなくなった。だがそれでも不十分で、側面に更に駐鋤を追加しないと安定しないとの噂。

提供:防衛装備庁


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2018年12月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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