空母という言葉に脊髄反射する軍事音痴な毎日新聞

2018年12月14日 06:00

いずも型護衛艦の空母化 なし崩しの議論を憂える(毎日新聞)

いやあ、社説書いているヒトタチがまるで軍事音痴の運動家レベルと告白して何が楽しいのかと。

政府・与党の調整で焦点となったのは、海上自衛隊の保有する最大級のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」型2隻を戦闘機も搭載できるように改修する「空母化」の扱いだ。

いずも型は艦首から艦尾まで飛行甲板がつながっている形状から「ヘリ空母」とも呼ばれるが、通常の戦闘機は発着艦できない。しかし、短距離での離陸や垂直着陸が可能なタイプの機体なら、甲板などを改修すれば艦載機として運用できる。

一方で政府は従来、憲法9条のもとで「攻撃型空母」の保有は許されないとしてきた。戦闘機は航続距離や弾薬の搭載量が限られるが、空母で海上を移動すれば他国の領土近くから出撃できる。それは自国を守るときにのみ武力を行使する専守防衛に反するとの憲法解釈だ。

護衛艦を空母化しても他国への攻撃に使わなければ攻撃型空母ではないというのが政府の説明だが、それを明確に担保するよう公明党が政府に求め、与党ワーキングチームでの了承が3回見送られた。

最終的に、戦闘機は常時搭載せず「必要な場合に運用する」ことで落ち着いた。これにより「多用途化」と表現する狙いがあるようだが、他国を攻撃する能力を持つことには変わりない。それだけでは空母運用の歯止めになるとは言い難い。

いずも(海自サイトより:編集部)

昭和の御代から延々と思考停止状態です。そら、読者も減るでしょうや。

まるで病気について無知な人間が、人間は健康であるべきだ。だから病気について何も知らなくてもいいのだ。健康健康と唱えていれば健康になるのだ、と叫んでいるようなものです。

世間ではそれをカルトと呼びます。

そもそも兵器の定義だって時代によって変遷しています。例えば155ミリ砲だって年代までは20キロ強、ロケットアシストつかっても30キロがせいぜい。ところが南アのG5がでていきなり39キロに射程が伸びて、ロケットアシストつかえば50キロを超えます。さらに薬室を23リットルから26リットルに代えたタイプでは射程は70キロを超えます。

そもそも「攻撃型空母」なるものの国際的な確固たる定義もなく、我が国でも確固たる定義はないのに、国会答弁で蒟蒻問答してきたわけです。敢えて言えば、米軍の大型空母みたいな、1隻で戦闘機、攻撃機、早期警戒機などをパッケージで相応の機体を搭載した空母のことを指していました。

ところがその言葉を使っていた頃はVTOLのハリアーなんぞは存在していませんでしたし、仮にいずもにF-35Bを搭載しても10機前後を運用する(搭載するだけなら20機以上ですが)わけで、その機数で大した攻撃なんぞできません。

であれば護衛艦だって艦砲射撃やミサイルで釜山や上海を火の海にできるわけです。こいつの禁止をなんで毎日新聞は言わないのでしょうか。

更に申せば、F-4EJの爆撃装置を「攻撃的」だとはずさせ、F-15Jの給油装置もはずさせたのは当時の野党と、メディアでしたが軍事的にはヤクザのいいがかりに等しいわけです。

またぼくは16DDHのときにこれは空母へのスプリングボードだと警鐘を鳴らしましたが、当時16DDHの予算化に際しては野党もメディアも殆ど疑問視も反対もしなかったでしょう。例外はボクが教唆した週刊金曜日ぐらいのものです。

石破茂氏との共著で彼は当時の国会でこの問題を追及されたときに備えて、相当綿密に用意をしたが、まったく質問がなくて肩透かしを喰った、という話を紹介しています。

つまり野党も、毎日新聞を含めてメディアも軍事音痴で16DDHの意味が分かっていかったわけです。

防衛省は空母が必要であれば、堂々と建造すべきだ

それはいずも級のときも同じ話です。
なにかあると言葉だけ、あるいは思い込みで騒ぎ出す。ジャーナリストのやる仕事じゃないでしょう。そこいらの活動家と同じレベルです。

だからといって、中国に対抗心を燃やして空母を持つというのでは、軍拡競争につながりかねない。

この一文をみても、書いた人間が中国の「攻撃型空母」と自衛隊が保有している「多目的空母」あるいは「軽空母」は同じものだと思っていることがわかります。つまり完全な軍事音痴の思い込みであるということです。

むしろ、中国が勘違いして軍拡してくれればしめたものです。あちらのほうが何倍も多くの資源を注ぎ込まないといけない。

中国の空母建造の野望を歓迎する(上)――巨額の予算と低い能力
中国の空母建造の野望を歓迎する(中)――米空母とはオトナと子供
中国の空母建造の野望を歓迎する(下)――人民解放軍の弱体化へ

少なくとも取材する限り、いずも空母化は島嶼防衛よりも、むしろ南シナ海で米国及び、その同盟国とのプレゼンスを強化して、中国に軍事予算の拡大を強要することに主眼をおいているように見えます。

専守防衛とは、他国の脅威にならないことで自国の安全を維持する日本の基本戦略でもある。なし崩しに変えるかのような疑念を国内外に与えてしまうことを危惧する。

専守防衛とは敢えて後手にまわり、自軍の損害を許容するだけでなく、国内を戦場にすることを是とする「基本戦略」です。ところがこの社説の著者と、毎日新聞(社説は社の統一見解です)は空理空論のキレイな戦いだと夢想しているわけです。

そうやって幻想を振りまいて読者をミスリードしているわけです。

まあ、政府に媚を売って、我々専門記者を記者会見から排除し、テメエ達だけ定率減税適用してもって甘い汁を吸おういう卑しい根性の連中にふさわしい駄文であるといえるでしょう。

■本日の市ヶ谷の噂■
空自ファイターマフィアは装備庁にエース級を送り込み、よせばいいのに国産戦闘機開発を成就させようと躍起との説。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2018年12月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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